(C)Mercedes-Benz × Dolby Atmos
Produced By katsuyuki seto
photographer ARISAK
音楽をめぐる環境は、めまぐるしく進化している。過去を振り返ったらキリがないが、DIMEを長く愛読してくださっている世代なら、学生時代にシスコン(システムコンポ)の前で最もステレオ音声を聞きやすい場所に座り、アナログレコードをかけたりFM放送を聴いたりしていたことだろう。
そしてお気に入りの音楽はカセットテープに録音。その際、カセットデッキが音質改善機能「ドルビーB」か「ドルビーC」搭載機器であるかどうかは、重要なポイントだった。アナログオーディオ時代には高音質であることがステイタスであり、“ドルビー”の称号はとてもまぶしく映ったのだ。
洗練された3Dサラウンド空間を体験
メルセデスAMGモデルが展示された空間で、革新的なエンターテインメントイベントが開催された。
(C)Mercedes-Benz × Dolby Atmos
Produced By katsuyuki seto
photographer ARISAK
時は流れ、音楽は聴く場所を選ばないウエアラブルなものとなり、映像とリンクした体験の場も増えている。それを後押ししてきたのが、長らく音響記録再生技術を研究してきたドルビーラボラトリーズ。
最新のサラウンド記録再生方式であるドルビーアトモスはApple Musicで一部コンテンツに対応しており、メルセデス・ベンツの一部の車種で体験できるなど、環境も整いつつある。先日開催された、ドルビーアトモスがもたらす音響体験のダイナミズムを提供するイベントを通じて、その魅力を紹介しよう。
2023年11月2日の夜、メルセデス・ベンツの情報発信拠点であるMercedes me Tokyo(東京都港区六本木7-3-10)で、一夜かぎりの特別なイベント「#Unheard Of Mercedes-Benz ×Dolby Atmos Produced by katsuyuki seto」が開催された。‟世界中のお客様に最⾼の⾳楽体験を提供する”という共通のコミットメントを掲げ協業するメルセデス・ベンツとドルビーラボラトリーズ。
それに共鳴した3Dサウンドデザイナーの瀬戸勝之氏をはじめとするクリエイターが各々の手段を使って刺激的な空間を作り上げた。
世界初の3Dサウンドデザイナー/プロデューサーである瀬戸勝之氏による、ダイナミックで洗練された特殊音響空間が一夜限りで出現。
(C)Mercedes-Benz × Dolby Atmos
Produced By katsuyuki seto
photographer ARISAK
メルセデス・ベンツが展開する高性能モデルのブランド、メルセデスAMGの最新モデルが展示された会場には、各界のクリエイターやメディア関係者、インフルエンサーが集まり、洗練されたクラブの様相を呈していた。
混沌という言葉よりも洗練が似合うのは、ドルビーテクノロジーをベースにした、瀬戸氏による空間演出のたまものといえるだろう。
「会場には個別に再生できる80個のスピーカーを設営し、迫力ある音響を構築、演出しました。そのなかで来場されたお客様が会話できるように、人が会話する声の周波数帯域を削減しつつ、音源を各スピーカーに個別に再生し音楽として違和感なく成立させました。どの場所にいてもしっかりと音が聴こえて、それでいて近くの人と会話ができるように設計しています。ドルビーアトモスの特性を生かした3Dサラウンド空間であり、音だけでなくビジュアルも合わせた複合体験が楽しめるようになっています」(瀬戸氏)
華道家・萩原亮大氏やヒューマン・ビートボックスのKAIRI氏のライブパフォーマンスも行われた。彼らをはじめとするクリエイター陣によって、五感を刺激するエンターテインメントは大いに盛り上がりをみせた。
(C)Mercedes-Benz × Dolby Atmos
Produced By katsuyuki seto
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