読売広告社は、同社の子会社であるショッパーインサイトが保有する日本最大級の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM」(※)を活用。
スーパーマーケット利用者における酒税改正前後の購入状況の変化を分析することで、その影響を可視化した。
※食品スーパーのID-POSデータをもとに生鮮惣菜を含めた全ての食品購買状況を全国規模の買物客単位で分析できるデータベース
カテゴリ間の変化では「新ジャンル」→「ビール」への移行(流出)が約2.6%で最大
図1 酒類カテゴリ間の移行(流入出)
酒税改正前期間の各カテゴリ平均購入額(表側)に対する流入出量の度合
酒類カテゴリ間の購入状況の変化(流入出)について確認したところ、「新ジャンル」からは他の酒類に向けて、改正前購入額の6.3%の金額が移行(流出)した。
新ジャンル」からのカテゴリ間移行(流出)先としてもっとも大きかったのは「ビール」で、改正前購入額の約2.6%にあたる金額がビールに移行した。
「新ジャンル」にマイナス、「日本酒」にプラスの影響
図2 酒類カテゴリ別の買上増減要因の分解
酒類カテゴリ間の移行(流入出)の割合(縦軸)に加えて、各カテゴリの新規購入と購入中止についての割合(横軸)も加味して分析すると(図2)、「新ジャンル」から他酒類への移行に合わせて購入中止の増加も明らかになった。
一方で「日本酒」は、新規購入も他の酒類からの移行もプラスだったことがわかる。これにより、当データでカテゴリ別に見た場合、今回の酒税改正前後の期間では「新ジャンル」にとってマイナス、「日本酒」にとってプラスの影響がそれぞれあったことが確認できた(※)。
また、酒類合計で見た場合、横軸において購入中止の増加、つまり購入量の減少が生じていることがわかる。
※日本酒がプラスになった理由は季節要因も影響していると考えられる。
関連情報
https://www.yomiko.co.jp/
構成/清水眞希