GAFAMに匹敵するには最低6倍の成長が必要
国内での覇権+海外進出がなければGAFAM超えは不可能
LINEヤフーがGAFAMと肩を並べようにも「市場規模や資金面など多くにおいてGAFAMに劣っており、真正面からぶつかっても勝ち目はありません」(鈴木さん)と、今のままでは規模が小さすぎるという。
実際の数字で比較してみると、GAFAMのうちLINEヤフーにサービスが類似するアマゾンの2023年4−6月期の売上高は約1344億米ドル(約18兆円)に対し、LINEヤフーのそれは約4300億円と40分の1程度でしかない。左掲する各国のプラットフォーマーの売上高をみても差は歴然である。少なく見積もっても売上高で最低6倍は成長しないと、GAFAMとの競争相手として市場からは認識してもらえない。しかし顧客数的に見て国内市場は限界が近いので、海外展開は必要不可欠だ。
「LINEが決済サービスなどでアジア圏の台湾、タイ、ベトナムを攻略していますが、現状でGAFAMを出し抜くには至っていません」(同前)
日本でのナンバーワンの座が必要不可欠だ。その後、世界とどう戦うか次第で、GAFAMに匹敵するかが見えてくるだろう。
各国のプラットフォーマーの売上高
成長率(縦軸)、売上高(横軸)ともにGAFAMに比べ劣っている。2020年の売上高で、LINEヤフー(134億ドル)、GAFAMの最小であるフェイスブック(860億ドル)とその差は約6倍である。さらに差が広がるのを阻止するための起爆剤も必要だといえる。
ソフトバンク経済圏の顧客数
LINEは日本国民数に届くほどのユーザー数だが、ファイスブックは30億人とケタ違いに大きい。差を埋めるには、国内だけでは当然足りず海外進出が必要だ。
出典:ソフトバンク株式会社決算説明資料(2023年8月4日)
※1:ソフトバンク=モバイル累計契約数(主要回線、2023年6月末時点) ※2:Yahoo! JAPAN=月間利用者数(2022年1月~10月)、ニールセン TOPS OF 2022: DIGITAL IN JAPAN 日本におけるトータルデジタルリーチ TOP10 を基に算出。スマートフォンとパソコンのユーザー重複を含まない ※3:PayPay=登録ユーザー数(2023年6月末時点) ※4:LINE=月間アクティブユーザー数(日本、2023年6月末時点)