おにぎり人気ランキング1位は「ホタテ塩麹バター」!
2店舗共通でおにぎり人気ランキングを教えてもらった。
1位:ホタテ塩麹バター
2位:出汁パンチ×3
3位:厚切り焼きサバ 酢橘と刻みガリ
▲人気1位の「ホタテ塩麹バター」(300円)。塩麹バターでソテーした青森県産のホタテをたっぷり乗せたボリューム満点のおにぎり。塩麹の柔らかい甘みとバターの塩味、海苔の香りが口いっぱいに広がる
「『ホタテ塩麹バター』の具は、青森県産のホタテを塩麹入りのバターソースでソテーして塩昆布を混ぜたもの。一度食べるとリピーターになる方が多いですね。青海苔を表面にまぶしているので見た目が華やかなのも人気の理由では。実は冬季限定商品だったのですが、あまりに人気が高いので通年商品になったんです」(川原田氏)
ちなみに同店では、塩麹を使ってる商品が多く、惣菜の唐揚げや豚汁などにも使用しているという。
▲人気2位の「出汁パンチ×3」(280円)※自宅に持ち帰り、付属の海苔の上に置いたもの。おぼろ昆布のグルタミン酸、椎茸のグアニル酸に、つくだに昆布出汁のうまさの3連打。厳選したという有明産の海苔も香りの高さにも驚いた
「『出汁パンチ×3』は、おぼろ昆布と昆布の佃煮、椎茸の佃煮という出汁のパンチ3連打を思いっきり浴びてください、という商品です。おぼろ昆布の優しい出汁感、昆布の佃煮のインパクトのある香り、最後にしいたけの佃煮の出汁が口の中でひとつにとけあう商品になっています」(川原田氏)
▲人気3位の「厚切り焼きサバ-酢橘と刻みガリ-」(300円)。香ばしく焼いた厚切りの塩鯖と相性抜群の刻みガリの組み合わせ
「厚切り焼きサバ-酢橘と刻みガリ-」は一見、白いおにぎりに身の厚い塩鯖を乗せただけのシンプルな一品に見えるが、川原田氏によると、このおにぎりこそ、同店がこだわっている食材の組み合わせの妙を実現したおにぎりなのだという。
「この分厚い鯖が一番の特徴なんですが、実は自家製のポン酢だれ、胡麻、鯖、紫蘇、ミョウガ、ガリという6つの食材を組み合わせていて、さまざまな香りや食感がある繊細な味わい。このおにぎり一つで、完成された和食のような美味しさになるよう、イメージしました」(川原田氏)。
ちなみにこのおにぎりは、塩鯖がどんどん厚くなっていって、時々、ふたをしめるのに苦労することもあるほどだとか…。
東京大学工学部大学院→LINE株式会社→おにぎり会社社長へ
実は川原田氏は東京大学工学部大学院出身で、専門は計数工学と、ガッツリ理系。その後、新卒でLINE株式会社に入社。中小企業向けのLINEマーケティングソリューションの営業提案、運用コンサルティング業務に従事した後、営業業務を離れ、社内のインサイドセールス組織の立ち上げとデータの可視化・分析を担当。その後、大企業向けの広告商品を中心とした広告媒体の企画業務に携わる。広告事業本部2021年度Best Rookie賞を社内で唯一受賞という実績を見ても、入社早々、華々しい活躍をしていたことがうかがえる。なぜそんな彼女が一転、おにぎり専門店を始めたのか。
川原田氏は学生時代、アメリカンフットボール部のマネージャーをしていたが、その先輩が、現在のパートナー会社である「まん福ホールディングス株式会社」代表取締役社長の加藤智治氏だった。「まん福ホールディングス株式会社」は、2021年4月、食に特化した事業承継プラットフォームとして創業した会社。「海外では浸透しつつある事業モデルですが、日本ではあまり広まっていない後継者不足を救う取り組みです。そのビジネスについてのお話を聞く中、そのつながりで、お米を扱ったビジネスで130年もの歴史があり、海外展開もしている神明ホールディングスを紹介されました」(川原田氏)。その時に、「お米」の持つ事業としてのポテンシャルを熱く語られ、「日本から世界を担っていくブランドを新しく作ろう」と声をかけられたのだという。
「私はもともと、日本発で世界を席巻するビジネスというものにすごく興味があったのですが、日本のITや製造業に比べても、日本の食は世界的にもトップクラスの高い評価を得ていますよね。そんな日本食の中の最もメジャーで手軽なファーストフードであるおにぎりはまだ、世界のトップチェーンがないという状況を聞いて、それが私の中の新鮮な驚きで、ここに大きなポテンシャルがあるんじゃないかと思ったんです」(川原田氏)
マクドナルドやサブウェイのように、世界中で誰もが知るファーストフードチェーンを日本発で作り、自分の手で世界に広めたい。そう考えてこのプロジェクトに加わった。