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クラフトビール醸造所をオープン!銭湯の新たな可能性に挑む「黄金湯」の次の一手

2023.11.28

2023年11月26日(いい風呂の日)に、銭湯とサウナに“合う”クラフトビールの醸造がスタートする。その醸造所の名は「BATHE YOTSUME BREWERY」(ベイズヨツメブルワリー)。東京都墨田区の老舗銭湯「さくら湯」から徒歩20秒というロケーションだ。

目指すのは地域と温浴文化の活性化

この醸造所を運営するのは、さくら湯のほかにも錦糸町の「黄金湯」、押上の「大黒湯」などサウナーに支持される温浴施設を経営する有限会社金沢浴場。

「BATHE YOTSUME BREWERY」は醸造するだけではない。12月16日に醸造所内にビアバーをオープン。さくら湯でひとっぷろ浴びた後、醸造したてのクラフトビールが楽しめるのだ。

異業種参入の背景を、黄金湯店主・新保朋子さんに聞いた。

かつて、菓子製造施設だった物件が、クラフトビール醸造所として再スタートした。

「BATHE(ベイズ)は英語で“浴びる”という意味があります。湯を浴びる、蒸気を浴びる……2012年に私たちが銭湯を継いでから、最も多く使う言葉のひとつが“浴びる”でした。クラフトビールを浴びるように飲むことはないかもしれませんが(笑)、このBATHEという言葉を店名に名付けました」(新保朋子さん・以下「」同)

今、日本国内でクラフトビール市場は活況している。その背景には、2020年10月から2026年10月にかけて、ビール類の酒税が改正されることもある。2023年11月現在350mlあたり約63円だが、最終的には約54円に統一される。これが追い風にもなっている。

参考:財務省・国税庁(2020年2023年

これを受けて、ビールの製造者数は増えている。国税庁の「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」を見ると、2020年のビールの製造者数は201(うち大企業6、中小企業177、個人事業主18)だったが、2023年の製造者数は379(うち大企業15、中小企業、232、個人事業主16)と約1.8倍になっている。

まさに、今が参入しどきだが、多額な設備投資が必要なビールの醸造に踏み切るのは、並大抵のことではない。「数年前から構想していた」という新保さんに、その背景を聞いた。

「黄金湯でクラフトビールを提供しながら、ビールの作り手の思いや地元への愛を感じ続けていました。そんなビールが私たちにも作れるのではないか、と思ったことが出発点です。それからは、醸造所の方に醸造過程、原料調達、技術などのお話を聞くうちに、私たちもできると確信しBATHE YOTSUME BREWERYは誕生しました。これは、私たちの街のビールであり、お風呂を愛する人のビールでもあります。銭湯やビアバーから、地域と温浴文化の活性化を目指しています」(新保さん)

BATHE YOTSUME BREWERYでどんなビールが飲めるのか?

BATHE YOTSUME BREWERYで醸造されるビールは以下3種類。醸造所店内、黄金湯のビアバー、大黒湯とさくら湯と金沢浴場(新宿区)では瓶ビールとして販売される。順に紹介していこう。

■「FOREST」(フォレスト) Style:Weizen ABV 3.7% IBU 9.3

小麦のまろやかさとバナナを感じさせる甘い味わい。ヴァイツェンとしては、比較的強めなホッピーでトロピカルな香り。低めなアルコール度数 3.7%とアフターサウナにもいい。醸造過程でヴィヒタ(※)を投入し、森林浴を感じさせる木々の香りを演出。

※ヴィヒタとはサウナで使用する白樺の枝葉を束ねたもの。

■「SUNRISE」(サンライズ)Style:Pale Ale ABV 5% IBU 20

控えめながらもしっかりと甘みを感じさせるモルトのコクが特徴。ふんわりと香る柑橘系のホップ、程よい苦みが湯上りには最適。軽やかで華やかゆえに、浴びるように何杯でも飲みたくなる。

SHOWER(シャワー)Style:IPA ABV 7% IBU 45

多量のシトラス系のホップによる鮮烈な香りが、シャワーを浴びるように降り注ぎ、キリっとしていて後味の良い奥行きある苦味が訪れる。湯上りにも飲みやすく、やや高めなアルコール度数を感じさせない。ゆっくりと味わって香りの変化を楽しみたくなるウエストコースト IPA。

左から、FOREST、SUNRISE、SHOWER。全体的に軽やかでキレがよく、入浴後に合う。価格帯は検討中で、中グラス600円~だという。ロゴを担当しているのは、黄金湯のブランディング、ロゴ、グッズなどを手がけるアーティスト・高橋理子さん。

ビアバーの内部。インテリアデザインは、JCD(日本商環境デザイン協会)DESIGN AWARD大賞ほか、多くの賞を受賞しているデザイナー・林洋介さん。「𠮷田カバン」の各店舗、「中川正七商店」ほか、東京都渋谷区「KOFFEE MAMEYA」など地元からも愛される店舗デザインを得意とする。

スタイリッシュな空間で、出来立てのクラフトビールを飲む。湯を浴びて火照った体に、華やかな香りとクリアな旨味が、優しい刺激とともに染み込んでいく。

窓の外を見れば、東京の下町ならではの、普段着の商店街。湯上りでほどけた心身をビールがさらにほぐしてくれる。この至福はここだけのものだ。多くの人を魅了し、賑わいを創出し、銭湯のように人々の交流の場になることだろう。

<店舗詳細>
BATHE YOTSUME BREWERY(ベイズヨツメブルワリー)
住所 :墨田区業平4−11−3
(さくら湯から徒歩20秒、黄金湯から徒歩7分、大黒湯から徒歩4分)
HP
Instagram :@bathe_yotsume_brewery
X:@batheyotsume

取材・文/前川亜紀

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