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チップセットも〝生成AI〟推し!最新「Snapdragon 8 Gen 3」でスマホはどう進化する?

2023.11.29

クアルコムのPC向けチップセット「Snapdragon X Elite」とアップル「M3」の違いは?

房野氏:クアルコムは今後どうやって戦っていくのでしょうか。

法林氏:基本的には、性能の高いチップを作っていくことになると思います。ただし、Tensorのようなものが伸びて、仮にGoogleがTensorの外販を始めたら、どうなるのかわからないです。

石川氏:クアルコムとしては、今はシャオミとオッポに頑張ってもらって、グローバルで数を売ってもらうというのが、1番のプライオリティになっています。

法林氏:クアルコムはかなりのシェアを持っているので、すぐに苦しくなるということはないけれど、スマートフォン市場での存在感は、チップセットとモデム以上のものは出せない。もう1つ厄介なのは、メディアテックが勢力を伸ばしているところ。

石川氏:メディアテックの脅威はありますし、シャオミやオッポは、クアルコムとメディアテックを天秤にかけている状態です。

石野氏:実際、Snapdragonのシェアは落ちていますし、メディアテックのチップの性能はどんどん良くなっています。メディアテックもAIをアピールしていて、クアルコムよりも価格が安いとなると、今後の市場動向はわかりません。そこでクアルコムは、〝スマートフォン以外にも〟ということで、車などのジャンルにも手を伸ばしているし、今回はPC向けのチップをCPUから丸ごと刷新して、作り直しています。

 アップルのMシリーズを作った人の会社を買収して、M2チップよりも性能が高い物を作り、インテルからシェアを取っていこうとしています。Snapdragon Xシリーズのパワーはすごかったですね。これまでのPC向けSnapdragonは何だったのかと思うくらいです。

「Snapdragon X Elite」(イメージ)

石川氏:Snapdragon X Eliteの採用メーカーが増えて、これから盛り上がりを見せると言っているけれど、発表してから実際に製品が出るまでに半年くらいかかるので、その間で気持ちが少し萎えちゃう。その点、アップルはM3を発表して、来週にはもう製品を発売します……といった動きができる。盛り上がり具合は違いますよね。

石野氏:ただし、今までは、クアルコムがPC用のチップセットを発表しても、アップルは気にもかけていなかったのに、今回のSnapdragon Summitが始まる3時間前に、アップルから案内状が届いて、発表会が急遽行われました。アップルが意識し始めたことで、逆にクアルコムがついにその土俵に上がってきたなという印象を受けました。

石川氏:M3の発表で思ったのは、M1ユーザーからするとあまり進化を感じられなかったこと。インテルチップからM1チップに切り替わる時、その進化がすごすぎた。なかなかそのインパクトを超えることが難しいです。

 あと、M2とM3を比較すると、動画の書き出し時間などはあまり変わっていません。Mシリーズの世代が変わったことで、逆にアップルは苦しんでいるのかもしれません。

アップルのチップセット、「M3」「M3 Pro」「M3 Max」(イメージ)

石野氏:アプリ側が追い付いていない感じもありますよね。

法林氏:結局、CPUの性能が上がるのは大事だけれど、ほかの性能も上がってこないと意味がない。

房野氏:ちなみに、今回のM3チップはM3 Pro、M3 Maxと同時に発表されていますが、これは戦略的なものですか?

石川氏:M1の時、順番に発表したのは、積み重ねていく面白さがあったから。今はもう、ProやMaxの存在を知っているので、別々に発表する意味があまりない。

石野氏:気になるのは、iPadへM3を搭載するタイミングですかね。

法林氏:アップルは「Pro」の名を冠したプロフェッショナル向けモデルで儲けようとしているけれど、だんだんユーザーがついて行かなくなっている。これから先、どのシリーズに対して、どのチップを搭載していくのか、その見極めが大事になります。

房野氏:今回発表された「MacBook Pro」は価格も上がりましたしね。

法林氏:フルスペックだと100万円超え。

石川氏:Macは一時、コスパがいいPCと認識されていましたが、その後、円安の影響もあって、値上がりしてしまいましたね。僕は2年に1回くらいのペースで、自分のMacを買い替えてきましたけれど、2023年は見送ろうかなと思っています。

……続く!

次回は、楽天モバイルが獲得したプラチナバンドについて会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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