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知的財産権にはどんな種類がある?ビジネスパーソンなら知っておきたい権利の種類と特徴

2023.12.18

知的創造活動によって生み出された無形の財産は、「知的財産権」によって保護されています。

本記事では、知的財産権にはどのような種類があるのか、各権利の特徴とともにまとめました。

1. 知的財産権とは

「知的財産権」とは、知的創造活動によって生み出されたものについて、創作者に認められる権利です。知的財産権の権利者は、創作物などの独占的利用や、他人に対する利用許諾などを行うことができます。

知的財産権が創作者にもたらす経済的な利益は、知的創造活動を行うインセンティブ(動機付け)となります。その結果として、社会全体で知的創造活動が盛んに行われ、文化の発展を促進する効果が期待されています。

2. 主な知的財産権の種類

主な知的財産権には、以下の種類があります。

(1)特許権
(2)実用新案権
(3)商標権
(4)意匠権
(5)著作権
(6)その他

2-1. 特許権

「特許権」とは、「発明」を保護する権利です。

発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいいます(特許法2条1項)。革新的な科学技術によって生産された物やその生産方法、革新的な科学技術を利用したプロセス(方法)などが特許権の対象です。

特許権者は、出願日から20年間にわたって特許発明を独占的に利用できるほか、他人に対して特許発明の利用を許諾してライセンス料を得ることができます。

2-2. 実用新案権

「実用新案法」とは、「考案」を保護する権利です。考案とは、自然法則を利用した技術的思想の創作をいいます(実用新案法2条1項)。

特許法に基づく「発明」と比べると、考案は「高度のもの」でなくてもよいのが特徴です。実用新案権は、特許権よりも容易に取得できます。

実用新案権者は、出願日から10年間にわたって登録実用新案を独占的に利用できるほか、他人に対して登録実用新案の利用を許諾してライセンス料を得ることができます。

2-3. 商標権

「商標権」とは、商品やサービスを表す名称・ロゴ・マークなどを保護する権利です。

商標権者以外の者は、登録時に指定した商品やサービスの類型(=指定商品・指定役務)について、登録商標と同一または類似の商標の使用等が認められません。

名称等について商標登録を受ければ、自社の商品・サービスを他社のものから差別化することができます。

商標権の存続期間は設定登録の日から10年ですが、更新が認められています。

2-4. 意匠権

「意匠権」とは、工業デザインを保護する権利です。

たとえば、ノートPC・自動車・家電製品・建築物などのデザインが意匠権の対象となります。

なお、工業上利用(=量産)できることが意匠権の登録要件です。量産ができないものは意匠権の対象とならず、著作権などによって保護されます。

意匠権者は、出願日から25年間にわたって登録意匠を独占的に利用できるほか、他人に対して登録意匠の利用を許諾してライセンス料を得ることができます。

2-5. 著作権

「著作権」とは、思想または感情を創作的に表現したもの(=著作物)を保護する権利です。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものが著作権の対象となります。

著作権者は、著作物をさまざまな方法で独占的に利用できるほか、他人に対して著作物の利用を許諾してライセンス料を得ることができます。

著作権の存続期間は原則として、創作の時から著作者の死後70年を経過するまでです。

2-6. その他

上記のほか、以下の知的財産権などが認められています。

(a)回路配置権(半導体集積回路の回路配置に関する法律)

半導体集積回路における回路素子、およびこれらを接続する導線の配置を創作した者に認められる権利です。

(b)育成者権(種苗法)

植物の品種登録を受けた者に認められる権利です。

(c)地理的表示(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)

特定の場所、地域または国を生産地とし、その品質や社会的評価などが生産地に由来する農林水産物等(=特定農林水産物等)の登録を受けた者は、販売等の際に生産地を特定し得る名称を使用できます。

(d)商品表示・商品形態(不正競争防止法)

他人の商品表示や商品形態の不正な使用等は、不正競争防止法によって禁止されています。

(e)商号(商法・会社法)

不正の目的をもって他の商人と誤認されるおそれのある商号を使用することは、商法および会社法によって禁止されています。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw

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