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首都圏における中古マンションや中古一戸建ての価格はここ数か月でどう変化した?

2023.11.28

首都圏ファミリー向き賃貸物件の掲載賃料上昇は継続するも、上昇率は鈍化

首都圏のファミリー向き賃貸物件は、2023年上半期の半年間で掲載賃料が1万円以上アップするなど賃料水準が急上昇していたが、今期は前期からの上昇が1,053円にとどまり、上昇率は鈍化した。

一方、首都圏のシングル向き賃貸物件や、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)、愛知県および地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の賃貸物件では、掲載賃料は小幅ながら上昇傾向が継続している。

<考察>

売買物件の価格上昇に伴うファミリー向き賃貸物件の需要増加などを背景に、特に首都圏では掲載賃料が大幅に上昇しているが、対して反響賃料の上昇は限定的であるなど、昨今の掲載賃料上昇に消費者の予算(コスト負担の許容度)が追い付いていない。

そのような状況下で、長期空室リスクの高まる閑散期には、オーナーも強気の賃料設定をしにくいことなどから、今期は掲載賃料の上昇がやや抑制されたものと思われる。

また、超低金利などを背景にこれらのエリアでは賃貸物件の新築供給数がいずれも増加(※1)しており、特に東京都ではファミリー向き物件の新築供給数が増加(※2)している。一方で建設費や物価の上昇を受け、賃料を上げる動きも考えられることから、これから引越しシーズンを迎えるなか、賃料相場がどのように推移するのか注目だ。

※1:国土交通省が公表している住宅着工統計は、毎月の建築工事届を集計しているが、掲載(=入居者の募集)が届出の6ヶ月~1年後と仮定すると、2023年7~9月期に掲載された新築物件は、主に2022年の住宅着工分だと想定される。2022年の着工数は、東京都で7万747戸(前年比105.2%)、神奈川県で2万6,788戸(前年比118.7%)、埼玉県で1万6,463戸(前年比106.2%)、千葉県で1万8,451戸(前年比112.1%)といずれも増加している

※2:国土交通省の住宅着工統計の着工戸数と床面積より1戸あたり床面積を算出。2022年の東京都の一戸当たり床面積は46.0m2と、前年の41.5m2から10.8%アップしており、ファミリー向き物件の着工が増加したものと推測される

<集計対象データ>

2023年7月1日~9月30日に、LIFULL HOME’Sで登録・公開された居住用賃貸マンション・アパート・居住用中古区分マンション・居住用中古一戸建て

シングル向き:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~

出典元:LIFULL HOME’S PRESS

構成/こじへい

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