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『シラフ』という言葉を知っていても、どのような状況を指すのかを説明できる人は少ないのではないでしょうか?シラフという言葉の意味を踏まえ、シーンごとの使い方や例文を解説します。シラフと似た意味を持つ言葉と使い方もチェックし、知識を深めましょう。
「シラフ」とは?概要をチェック
酒の席で使われることが多いシラフは、何を意味する言葉なのでしょうか?一般的な意味と対義語、漢字表記などを解説します。
■主な意味は「酒に酔っていないこと」
シラフは主に、酒を飲んでいない状態や顔つきを指す言葉です。転じて、『酒を飲んでいるけれど、酔っていない状態』をシラフと表現するケースもあるようです。
また、酔いからさめた状態・瞬間を意味する『酔いざめ』も、シラフと同じような場面で使えます。酔っている人に対する『シラフに戻る』と『酔いざめる』は、同じ意味合いを持つ表現です。
なお、シラフの対義語には、『泥酔(でいすい)』『酩酊(めいてい)』『狂酔(きょうすい)』『酔客(すいきゃく)』などが挙げられます。いずれも、酒を飲んで酔っている状態か、酔った人を表す言葉です。
■2種類の漢字表記がある
シラフには『素面』と『白面』、2種類の漢字が当てられます。素面を『すめん』と読む場合は、『剣道・能で面をつけていない状態』や、『化粧をしていない顔』を指すのが一般的です。そのほか、『すめん』という読み方でもシラフと同様、酒に酔っていない状態を表せます。
一方の白面はシラフ以外に『はくめん』とも読み、主に『素顔』や『顔色が白い様子』を指します。素面とは異なり、白面を『はくめん』と読んだときには『酒に酔っていない様子』の意味は含まれません。
【シーン別】「シラフ」の使い方
シラフという言葉は、どのような場面で使えるのでしょうか?酒が提供される場面と、それ以外のシーンに分けて、使い方と例文を紹介します。
■酒が提供される飲み会など
シラフの基本的な意味は『酒を飲んでいない状態』『酒に酔っていない状態』のため、多くの場合、飲み会や宴席で使われます。
一般的に、自分の状態や、他人の状態・顔つきを示すことが多いようです。酒の席における使い方を例文で確認しましょう。
- あの人はウイスキーを5杯も飲んでいるのに、まるでシラフに見える
- 彼女は「私はシラフだ」と叫んでいたけれど、とてもそうは見えない
- ほとんどの人は酔っ払っているが、彼は酒を飲んでいないのでシラフだ
■それ以外のシーン
酒の席以外でも、シラフという言葉を使うシーンはあります。ただし、ほとんどの場合は酒に関する話題になるため、使うシーンや相手は選ぶ方がよいでしょう。
一般的な例文を紹介します。
- あの失態は恥ずかしく、とてもシラフでは話せない
- 凄惨な場面に遭遇してしまい、今夜はシラフで乗り切れる気がしない
- 昨日駅で見た男は、シラフとは思えないほど異様な雰囲気だった
- 「シラフで話すのはつらいのではないか」と言った私に、彼女は「大丈夫だ」と返事をした
「シラフ」と似た意味の言葉
全く同じ場面で使えるわけではありませんが、シラフと似た意味の言葉もいくつか存在します。それぞれの意味と併せて、シラフとの共通点や例文を確認しましょう。
■「正気」
『正気』は『しょうき』と読み、精神状態に問題がなく、正常な判断能力を持っている状態を表す言葉です。シラフが酒に酔っていない普通の状態を表すのに対し、正気は酒とは関係なく気が確かな状態を意味します。
シラフよりも広い範囲の『普通の状態』を指すので、精神状態や判断力に言及する際にも使える表現です。『正気を失う』や『正気に返る』など、よく使われる表現を含む例文を紹介します。
- 僕があまりにもおかしな言動をしたからか、友人に「正気か」と言われた
- 暴れている彼はまるで、正気を失っているように見える
- ひどい暴言を吐いた後、彼女は正気に返ったようにこちらを見た
■「本性」
『本性』は、『ほんしょう』と読みます。生まれ持った性質や、本心を意味する言葉です。隠している性質や本人も気付いていない性根を指すため、悪い性質を指摘するシーンにも使われます。
やや古い表現ですが、酒を飲んで酔っている人を『本性を失っている』と表すことも可能です。『本性を失う』と『シラフではない』が同じような意味なので、状況に合わせて使い分ける手もあります。具体的な使い方を例文で確認しましょう。
- 今までは猫を被って、本性を隠していたようだ
- 「本性は冷酷だ」と言われていた彼女は、まるで嘘のように優しい
- 彼は大量の酒を飲み、すっかり本性を失っている
■「素顔」
『素顔』は『すがお』と読み、化粧をしていない状態・顔を意味します。広い意味では、顔だけでなく『ありのままの性質』を表す際にも使われる言葉です。
一見、『酒を飲んでいない状態』を意味するシラフと、『ありのままの性質』に直接的なつながりはありません。しかし、シラフの『素面(すめん)』という漢字表記には『化粧をしていない顔』も含まれています。また、『素顔』が『酒を飲んでいるように見えない顔』の意として使われていた時代もあるようです。
併せて、素顔を使った例文も見ていきましょう。
- 彼女はクールに見えるが、親しくなると優しい素顔を見せてくれる
- 仲良くなるうちに、彼の素顔が明らかになっていった
- 日本のさまざまな姿や性質が『日本列島の素顔』として紹介されている
構成/編集部