「終活」は家族がいる人だけでなく、いわゆる「おひとりさま」であっても取り組む価値があります。ご自身の状況や意思を見つめ直した上で、早い段階から徐々に終活を進めていきましょう。
本記事では「おひとりさまの終活」について、何をすべきか、いつまでに取り組むべきか、および注意点などを解説します。
1. 「おひとりさまの終活」の必要性
「終活」は残される家族に迷惑をかけないように行うもの、というイメージは根強く存在します。しかし、このような側面は終活の一面に過ぎません。
終活の本質は、人生の終え方を自分の意思で決めることにあります。その意義は、家族がいてもいなくても異なるところはありません。
「おひとりさま」であっても、財産を自分の意思で誰かに引き継いだり、認知症などで判断能力が低下した際の身じまいを準備したりすることは、家族がいる方と同様に重要です。自分にとって望ましい人生の終え方ができるように、早い段階から終活に取り組みましょう。
2. 「おひとりさまの終活」では何をすべきか?
おひとりさまの終活では、主に財産に関することを決め、さらに身じまいの方法を準備しておくのがよいでしょう。具体的には、以下のような事項に取り組むことをおすすめします。
(1)財産の分け方を決める
(2)身辺整理を進める・準備をする
(3)認知症対策を行う
2-1. 財産の分け方を決める
所有している財産の一覧表を作成した上で、それらの財産を誰に引き継ぐかを決めましょう。慈善団体・自治体・学校・文化団体などに寄付する、お世話になった人に譲るなどの選択肢が考えられます。
財産を分け与える方法には、生前贈与や遺贈(遺言による贈与)などがあります。
生きているうちに財産が役に立っているのを見届けたい場合は生前贈与、存命中は自分で財産を活用したい場合は遺贈を選択するとよいでしょう。
2-2. 身辺整理を進める・準備をする
不用品やSNSアカウントを整理するなど、生前の段階から少しずつ身辺整理を進めておくとよいでしょう。また、死後の身辺整理については、信頼できる人にあらかじめ頼んでおくのが安心です。
2-3. 認知症対策を行う
将来的には、認知症などによって判断能力が低下する可能性があります。その場合に備えて、信頼できる人との間で任意後見契約を締結するなど、認知症対策を行っておきましょう。