枕選びもリタイア人生の楽しみなり
商品が届くと、これまでの枕と違って硬めだ。アパも硬めだったので期待が膨らむ。高さを調整するためにアジャストパッドを枕に入れるのは面倒と思っていたが、素材に弾力があるので思ったより簡単だった。まずは3枚入れる。これは高すぎて心地悪い。2枚、いまいちかな? 1枚、これがいい気がする。0枚は明らかに低すぎだ。1枚をよしとする。首のサポートは、枕の長辺両側中央の突起の感触で選ぶ。“やさしい”サポートがいい気がした。
僕は枕がなんであれ、ぐっすり眠れる。問題は起きた時の首や肩の調子だ。「ニューピース ピローリリース」で迎えた朝は、明らかに前日より快適だった。ただしこれは今まで使ってきた枕でも同じこと。肝心なのは快適な日々がどれだけ続くかだが、こればかりはわからない。翌日は首のサポートを“しっかり”に変えてみたが、やはり“やさしい”ほうが心地いい。枕の高さも1枚が僕にはベストだ。妻は3枚入れたので3枚枕で昼寝を試みたが、高すぎてしっくりせず、お昼寝中止。枕の高さはつくづく好みだと思う。高さ調整できない枕では文字通りどうしようもないのだから、4段階から選べるのはとてもいい。
そして驚くことが起きた。「ニューピース ピローリリース」使用のその夜から、イビキが劇的に軽減されたのだ。妻いわく、僕は大きなイビキをかいていたかと思うとピタリを止まりしばらくすると大きく息をしてまたイビキをかくそうだ。睡眠時無呼吸症候群ではないかと専門医で検査すると疑いありで、大学病院で再検査となった。その結果はなんとも微妙な数字でしばらく様子を見ましょうとなり、1年半が経つ。
この症候群は内臓とか脳の疾患ではなく、空気の通り道である気道が塞がれるから起きるという。ここからは僕の独断なので医学的に正しいかはわからない。「ニューピース ピローリリース」によって気道が塞がりにくくなり、イビキが軽減されたのではないか。というのもこの枕はイビキについては何も言及していないが、僕が別途新規購入を検討した横寝のしやすさを特徴とする枕はイビキ対策を謳っているからだ。
ここまで「ニューピース ピローリリース」を褒めてきたが、前述した2つの枕も@DIMEで褒めただけに、いつまで快適さが続くかは不明だ。たぶん合わない枕はすぐ合わないとわかるのだろうが、合う枕がいつまで合うかは使い続けないことにはわからない。9月にさる有名大手ブランドの枕を店頭で試した時、店員氏が「枕選びは本当に難しく、20種類くらい購入したというお客様も少なくないです」と言っていたほどだ。ともあれ枕寿命は長くても2~3年と覚悟し、合わなくなったら買い替える。枕選びもリタイア人生の楽しみなり、くらいの気持ちでいることにしよう。
文/斎藤好一