スマートウォッチといえば、多くの人がアップルのApple Watchシリーズを思い浮かべるはず。そのためAndroidのスマートフォンユーザーにとってスマートウォッチは、〝使いたくても使いにくいデバイス〟と思っている人も多くいるはずです。
そのため、スマートウォッチが使えなくなるからと、iPhoneからAndroidスマートフォンへの機種変更をためらっている人もいるのではないでしょうか。
ただし、最近はスマートウォッチ市場に各スマートフォンメーカーが力を入れていて、Androidスマートウォッチの進化は目を見張るばかり。中でも2023年に発売されたスマートウォッチとして注目なのが、「Galaxy Watch6」と「Google Pixel Watch 2(以下Pixel Watch 2)」です。
両モデルの注目ポイントは、モバイルSuicaに対応している点。改札を通る際や買い物をする際に、毎回財布やスマートフォンを出さなくても支払いができるのが便利なため、スマートウォッチユーザーの中には、必須機能と考えている人もいるはずです。
そこで本記事では、Galaxy Watch6とPixel Watch 2を実際に数週間使用したうえで、使い勝手や機能をチェックしてみます。なお、今回はそれぞれの機能をフルで活用するために、Galaxy Watch6をGalaxy Z Flip5、Pixel Watch 2をGoogle Pixel Foldと接続して試しています。
決済機能の追加で便利になったGalaxy Watch6とPixel Watch 2
Apple Watchシリーズの優位性は決済機能の豊富さにあるといえます。多くのAndroidスマートウォッチが、健康管理やワークアウトのデータ計測、通知のチェックといった機能にとどまる中、Apple Watchシリーズでは、2016年に発売されたApple Watch 2よりFeliCaに対応しているように、決済サービスが利用できるのが〝当たり前〟のデバイスとなっています。
Pixel Watchの場合、初代Pixel Watchから日本モデルではFeliCaを搭載。加えて、iDやQUICPayといった電子決済にも対応しており、Pixel Watch 2でも踏襲した形。一方、Galaxy Watchシリーズでは、今回のGalaxy Watch6で、初めてFeliCaを搭載し、iD、QUICPayでの決済にも対応しています。
Galaxy Watch6はWear OS Powered by Samsung、Pixel Watch 2はWear OS 4.0を搭載しており、いずれもモバイルSuicaといった決済サービスの登録は、Google ウォレットを経由して行います。今後、ほかのAndroidスマートウォッチでも、モバイルSuicaやそのほかの決済サービスに対応していく可能性が高いといえるでしょう。
画像はGalaxy Wearableアプリ。モバイルSuicaの追加はGoogle ウォレットを経由する
さて、肝心のGalaxy Watch6、Pixel Watch 2の決済サービスについて。モバイルSuicaは、基本的にほぼ全ての人が利用できるサービスなのに加え、使用できる場所が多いのが特徴。先にも触れた通り、財布やスマートフォンを出さずに会計ができるのはやはり便利です。
一方、iDやQUICPayといった決済サービスは、対応しているクレジットカードなどを利用している人のみが利用できるサービスであるため、汎用性という意味ではモバイルSuicaに劣るものの、チャージをしなくても利用でき、月々の支払額を一括でまとめやすいといったメリットもあります。
モバイルSuicaだけでなく、状況によって使いやすいiDやQUICPayにも対応しているのは、スマートウォッチの使い方を大きく飛躍させるといっても過言ではないと感じています。
ただし、Apple WatchシリーズではPayPayやau PAYといったQRコード決済に対応しているのに対し、Galaxy Watch6とPixel Watch 2では非対応。Apple Watchとは根本的にOSが異なるため、対応に時間がかかるのは仕方のないことですが、両モデルともにLTE版が通信キャリアから販売されている製品でもあるため、決済アプリには早い段階で対応してほしいと感じています。逆にいえば、長年決済サービスにも力を入れているアップルの強みが顕著に出ているともいえるでしょう。