LIXILは11月26日の「いい風呂の日」を前に、入浴時にスマートフォンなどの使用経験がある10~50代の男女500人を対象に「長風呂に関する意識調査」を実施。
また、入浴習慣や温泉医学研究の第一人者である東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉先生に、快適に長風呂を楽しむアドバイスを聞いた。
長風呂で「身体の芯から温まると思う」が9割、「美容に効果があると思う」は7割以上
長時間入浴のイメージについて聞いたところ、「身体の芯から温まることができる」(89.8%)、「心身がすっきりする」(84.2%)と、8割以上の人が長風呂は身体に良い効果があると思っているようだ。
また、「美容に良い効果がある」(73.6%)や「肌のしっとり感やうるおいが増す」(63.6%)など、美容に良いイメージも高いこともわかる。
さらに、約7割の人が「就寝直前の長時間入浴で、ぐっすり眠ることができると思う」(69.8%)と回答しており、1日の終わりの就寝直前にゆっくりと入浴することでリラックスしたい気持ちが推察できる。
その一方で6割以上の人が「熱中症になることがあると思う」(64.6%)、「入浴中にも水分補給が必要だと思う」(63.2%)と回答しており、長風呂による脱水や熱中症などの健康リスクを認識していることが判明した。
しかし同時に、3割以上は「浴室熱中症」の可能性を認識していないことも明らかになり、もしもの場合に備えて正しい入浴方法を知ることが重要となるだろう。
「長風呂した」と感じる時間、「30分以上」が最多3割
「長風呂した」と感じる入浴時間を聞くと、3人に1人が「30分以上」で最も多く(33.2%)、次に「20分以上」(24.2%)だった。
普段の入浴時間では、約4人に1人が「30分以上」(30分/1時間/2時間以上と回答した人の合計24.6%)で、「20分以上30分未満」(24.6%)も含めると、約半数の人が普段から長風呂をしていると言える。
■早坂先生からのアドバイス〜長風呂は乾燥しやすいので「保湿」を忘れずに
入浴による温浴効果は、40℃の湯船で10分間、全身浴することで十分に得ることができるので、全身浴で20分以上浸かれば「長風呂」と言えます。
1回の入浴で800mLの水分が身体から奪われるため(※)、長時間の入浴になるほど水分量が減り、脱水に繋がります。また、長風呂は肌の保湿成分が流失することによる肌の乾燥や、体温が高くなりすぎる「浴室熱中症」などのリスクも高まるため、正しい入浴方法を知る必要があります。
例えば、入浴後の保湿を欠かさないこと、長風呂する際は入浴前と入浴中にも水分補給をすることが大切です。湯船から出る前には、冷水や浴室の冷たい部分に触れてから出ることで、めまいや立ち眩みの防止にも繋がります。
入浴タイミングは、ヒトは体温が下がってくることで入眠できるため、就寝直前ではなく入眠の1.5時間前までに終えることをおすすめします。
※ 出典/大塚製薬佐賀栄養製品研究所「入浴後の水分補給効果:当電解質飲料と水の比較」より、41℃の湯船に15分間入浴後30分間安静にした場合。