DIME MAGAZINE
「認定中古」とは、顧客から自社商品を引き取り、メンテナンスしたのちに再び販売する純正の中古商品のこと。クルマやバイクなどで当たり前になったこの販売スタイルが、アパレル業界などへ波及。新品、セール、アウトレットに続く、新たな売り方として大きな期待を集めつつある。
認定中古に対する知名度を高めるきっかけとなったのは、高級時計ブランド・ロレックスの動向だ。昨年12月に「ロレックス認定中古時計プログラム」を始動し、中古市場への参入を表明。同サービスはすでにいくつかの国で導入されているが、価格面への期待は禁物だ。それは先行する高級時計ブランドが〝ファインヴィンテージ〟などと銘打ち、一般的な中古品よりも高いプレミアム価格で認定中古を販売していることからも明らかだ。ヴィンテージの価値が確立している高級時計市場では、認定中古品が一般的な中古品の販売価格を下回ることはまずない。
もちろん、認定中古品を手頃な価格で提供しているブランドはある。その好例がコーチ、三陽山長、リーガル シューアンドカンパニーといった、クラフトマンシップをモノ作りの信条に掲げるブランドだ。商品によっては新品の半額近い価格で購入できるが、金銭的ハードルを下げるだけが目的ではない。環境省の発表によると家庭で廃棄される衣類は年間約50万t。そのうち95％が焼却・埋め立て処分されるなど、業界が及ぼす影響は甚大だ。認定中古への取り組みは環境負荷や人材育成など、循環型社会の実現に向けたアクションであるとともに〝永く愛される品質〟という自社製品の真の価値をアピールする側面もありそうだ。
アップクラフト商品などバリエーション豊かに展開
コーチ「“COACH （Re）Loved”プログラム」
2021年に米国で始動したプロジェクトが今年1月に上陸。顧客から下取りしたバッグに手を加え、公式Webで販売する。商品は修復品のリストア、修復品に装飾などを施したアップクラフト、別の形に作り替えたリメイドの3ライン。
リストア商品は定価の約20％OFF！
『【REMADE】カラーブロックスモール ポーチ』1万7600円
『【RESTORED】ローグ ブリーフ』定価15万4000円 → 8万6900円
〈下取り情報〉
対応店舗／コーチ 銀座、コーチ 新宿を含む17ストア
形式／上記17ストアで利用できる査定金額分のクーポンと持ち込み品を交換
対象商品／コーチ ストアにて購入履歴のあるバッグ ※アウトレット品を除く
販売先／コーチ 公式 オンラインストア
靴磨きのプロ集団「革靴をはいた猫」とのコラボ企画
三陽山長「山猫PROJECT」
京都府の靴磨き・靴修理専門店「革靴をはいた猫」と提携し、昨年12月に始動。今年8月より公式Webにて認定中古品の販売を開始した。障がいのある若者を靴磨き・靴修理職人として育成することを目的に掲げる。
認定中古品は一律4万9500円に！
『琴之介』（生産終了）定価8万4600円 → 4万9500円
『源之介』（生産終了）定価8万4600円 → 4万9500円
様々な形状・色・状態の靴をケアする機会を創出。職人として自立する一助に。
〈下取り情報〉
対応店舗／特になし
形式／寄付 ※下取り制の導入を検討中
対象商品／「三陽山長」ブランドのシューズ
販売後／三陽山長公式リユースストア
状態に応じてソールの張り替えやカスタマイズも
リーガル シューアンドカンパニー「REGAL Shoe & Co. REBUILT」
40年以上培うリペアサービスを利活用。対応店舗で下取りした靴を修理・再構築して店頭販売する。〝時代や世代を超えて受け継ぐことのできる製品〟という同社製品の在り方を形に。
認定中古品は1万9800円〜
（上）『813S プレーントウ』定価3万7400円 → 2万6400円
（左下）『923S サドルシューズ』定価4万6200円 → 2万6400円
（右下）『812S タッセルローファー』定価3万7400円 → 2万6400円
〈下取り情報〉
対応店舗／REGAL Shoe & Co.
形式／REGAL Shoe & Co.で利用できる査定金額分のクーポンと持ち込み品を交換
対象商品／「REGAL Shoe & Co.」ブランドのシューズ
販売先／REGAL Shoe & Co.
※掲載した商品は参考商品です。
取材・文／渡辺和博
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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