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JALが水素燃料による次世代航空機の導入を目指しスタートアップ3社と協業

2023.11.22

日本航空は、飛行中のCO2排出量をゼロにすることができ、将来の持続可能な空の移動手段の1つとして期待されている、水素を燃料とする次世代航空機を日本の空へ導入することを目指し、安全性、経済性、整備性などについての検討を進めるため、水素航空機(※)の開発を行なうH2FLY(本社:ドイツ)、Universal Hydrogen(本社:アメリカ)、ZeroAvia(本社:アメリカ)のスタートアップ企業3社と、それぞれ基本合意書を締結したと発表した。なお、水素航空機の技術面に関する検討・協力については、JALグループの航空機整備を担うJALエンジニアリングが進めていく。

日本国内における水素航空機の運航の実現に向け協業を開始

JALグループは、CO2の排出量削減に関し、2050年までのカーボンニュートラルの実現を目標に掲げており、水素航空機や電動航空機といった新技術を使った航空機の将来的な導入に向けて幅広い検討を進めている。

今回協業する各社は、水素を燃料の一部として使用した飛行試験をすでに実現し、2020年代半ば~2030年代に水素航空機の商用化を予定する、世界で水素航空機の開発をリードする存在。主な協業内容は、「水素航空機に関する最新の開発状況を共有し、将来的な日本国内における運航の実現に向け、安全性・経済性・整備性などの観点において、機体の設計・仕様に航空会社としての知見を反映する」と「水素航空機に関する安全性や最新の情報を積極的に発信し、日本国内での社会受容性を高める」となる。

今回の協業ついて、同社では、それぞれ異なる特色を持った3社と広く協業することで、本邦航空会社としての運航や整備に関わる知見を活かし、日本国内での運航に求められる厳しい安全基準を満たす水素航空機の設計開発に貢献するとともに、水素航空機導入に向けた機運を醸成することで、安全・安心でサステナブルな未来の空を創る活動を推進するとともに、日本の空への水素航空機の導入をリードしていくとしている。

なお、各社の主な取り組みは以下のとおりとなる。

H2FLYについて

H2FLYは、シュトゥットガルトのドイツ航空宇宙センターとウルム大学の5人のエンジニアによって設立され、航空機用の水素電気推進システムを開発している。水素燃料電池の技術を高め、ゼロエミッションでサステナブルな空の旅の新時代を切り開いており、世界初の水素電気旅客機であるHY4は2016年に初飛行し、将来的な実現可能性およびポテンシャルを示した。また、H2FLYは、産業界と研究界の強力なパートナー・ネットワークを有しており、現在、ドイツと欧州の提携企業の支援を受けて、技術開発と商業化を加速。この先数年以内に、水素電気航空機によって、40人の乗客を最大2,000キロメートル(1,240マイル)輸送できるようになると期待されている。

Universal Hydrogenについて

Universal Hydrogenは、近い将来に水素を燃料とする商業飛行を実現させようとしている。水素をモジュール化したカプセルに入れ、既存の貨物ネットワークを通じて、世界中のどこでも、グリーン水素の生産拠点から直接航空機に輸送することで、水素物流に柔軟性、拡張性、経済性の高いアプローチを取っている。また、同社は、短期的かつ最もインパクトのある脱炭素化の機会として、リージョナルおよびナローボディ/単通路の航空機をターゲットとしており、既存のリージョナル航空機を水素で飛行できるように改造するため、推進システム換装キットの公的機関による認証取得にも取り組んでいる

ZeroAviaについて

ZeroAviaは英国政府のJet Zero Councilの一員。航空産業が気候変動に与える影響に対処するためのソリューションとして、水素電気航空に焦点を当てている。当初は2025年末までに9~19人乗りの航空機で航続距離300マイルを目標とし、続いて2027年までに40~80人乗りの航空機で航続距離700マイルを目標として、すでにCAAとFAAから3機の試作機の試験に必要な認証を取得し、飛行試験という重要なマイルストーンを達成した。また、主要な航空機メーカーと数多くの提携を結び、世界の主要航空会社からエンジンの予約注文を2,000件近く獲得しており、将来の収入は100億ドルを超える可能性がある。

※ 今回の協業におけるターゲットは、水素を直接燃焼させるのではなく、水素と大気中の酸素の化学反応により発電を行なう燃料電池と、電動モーターにより推力を得て飛行する航空機となる。

関連情報
https://www.jal.com/ja/

構成/立原尚子

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