BMWのプレミアムコンパクトスポーツモデルを代表するモデルである、3シリーズは2022年9月に現行型へと進化した。その「3シリーズ」のツーリング(ステーションワゴン)にサーキット走行も可能なMハイパフォーマンスモデルが2023年1月に加わった。
一定条件下でハンドルからの手離し走行が可能に
この「M3 コンペティション Mツーリング」は、サーキット走行を可能にしながら、高性能3眼カメラと高性能プロセッサーによる解析能力の高い運転支援システムを標準で装備。高速道路での渋滞時でのハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が装備されている。一定条件下でのハンドルからの手離し走行が可能なモデルでもある。
さらに、最新世代のコネクティビティーも備わっている。「OK、BMW」と話しかけると、車両の操作、目的地の設定ができるのだ。Apple CarPlayへの対応やスマートフォンで事前に検索した目的地をクルマに送信することもできる。デジタルキープラスが標準装備になったことで、スマホやスマートウォッチを持っていれば、クルマに近づくだけでロック解除も可能だし、エンジン始動もできる。
このように、コンペティションカーとは思えないほどの機能を「M3ツーリング」は持っている。しかし、外観はかなり攻撃的だ。フロントのキドニーグリルは、縦長の大型グリルを採用し、水平方向にダブルバーを採用、大型のエアインテークも備えている。
サイドはMモデル専用のフロント、リアのブリスターフェンダー、ドアミラーを装備。ダウンフォースを得るためのリアスポイラーやツインマフラーの左右2本出し、空力特性を高めるためのディフューザーが特徴だ。内装も、Mスポーツシート、Mロゴが輝くサイドシルや専用デザインのメーターパネルやハンドルのほかに、ドアシルやシートのMロゴは光りが入っている。
パワーユニットは直列6気筒DOHCの3.0Lターボ。BMWは電気自動車も積極的に開発しているが、その一方でこうしたハイパワーのガソリンエンジンも開発し、市販車への投入を行なっている。このあたりのクルマの開発に関する考え方はドイツ車では珍しいものではなさそう。メルセデスもポルシェもアウディも新しいチャレンジをしながら、内燃機関も見捨てずに開発しているのだ。