毎日当たり前のように使っているスマートフォンやアプリ。しかし、「これは何のための機能なのか?」「デメリットはないか?」をそれぞれ把握している人は少ないだろう。「アプリの位置情報」も、そんな知っていそうで知らない機能の一つだ。アプリをインストールした際に「位置情報を許可しますか?」と聞かれるケースは多いが、許可しないとどうなるかや、許可した場合のメリットとデメリットはわかりにくい。
そこで本記事では、「アプリの位置情報」の役割や位置情報を設定するメリットとデメリット、位置情報の設定方法について解説する。
アプリの位置情報はオンにすべき?
位置情報とは、GPS(全地球測位システム)や携帯電話・Wi-Fi端末の基地局情報から割り出される端末の現在地情報を指す。アプリの位置情報は、ユーザーがアプリを使用するエリアを把握するために搭載されるケースがほとんどだ。
■アプリの位置情報を設定するメリット
アプリの位置情報をオンに設定することで、地図アプリ、乗換案内アプリなどでは最短ルートの提案を受けられる。位置情報と連携して、クーポンや商業施設、医療機関などの情報を配信するアプリもある。
また、フードデリバリーアプリやタクシー配車アプリなどは、正確な位置情報を元にサービスを提供するため、位置情報をオンにしていないと使用できないことが多い。
■アプリの位置情報を設定するデメリット
一方、アプリの位置情報を設定するデメリット(注意点)としては、匿名利用することが多いSNSアプリなどで個人情報が漏洩するケースなどが挙げられる。
SNSアプリの位置情報をオンにしておくと、投稿時に誤って位置情報を追加してしまい、個人や自宅場所を特定される可能性があるため注意が必要だ。
また、SNSに動画や写真を投稿する場合もデータに位置情報が含まれているケースがある。アプリによっては投稿時に位置情報を削除するよう設定できるケースもあるため、アプリの設定やカメラの設定を確認しておこう。
■アプリの位置情報をオフにするとバッテリーは節約できる?
位置情報をオンにすると、アプリはGPSや基地局と頻繁に交信する。そのため、アプリの位置情報はオフに設定した方が、スマートフォンのバッテリーはもちろんデータ通信量も節約可能だ。
以上のことから、位置情報はアプリごとにオン・オフを切り替えるのが賢い使用方法と言えそうだ。
アプリの位置情報設定のやり方
アプリの位置情報は、インストールした際になんとなくオン・オフを設定したままになっていることも多いため、時々チェックするようにしよう。ここではiPhoneとAndroidのそれぞれで、アプリごとに位置情報を設定する方法を解説する。
■iPhoneの場合
iPhoneをはじめiOS端末でアプリごとに位置情報を設定する場合は、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」と選択し、「しない」「次回または共有時に確認」「このAppの使用中」「常に」の四つから希望するものを選ぶ。
なお、端末全体の位置情報を設定する場合は、「位置情報サービス」の上部でオン・オフを切り替えられる。
■Androidの場合
Android端末でアプリごとに位置情報を設定する場合は、「設定」→「位置情報」→「アプリの権限」→アプリの順に選択して「常に許可」「アプリの使用中のみ許可」「許可しない」の中から希望するものを選ぶ。
端末全体の位置情報を設定する場合は、画面の上部から下にスワイプし、「位置情報」のアイコンを長押しするか、「編集」アイコンまたは「設定」アイコンをタップする。
相手の位置情報を知る方法はあるのか
アプリの位置情報は、アプリを使用する際に自身の端末の位置を利用するためのものだ。それでは、他人の居場所を知りたい場合、相手の端末の位置情報を利用することはできるのだろうか。
■位置情報アプリで共有すれば確認可能
自分以外の他人の位置情報を知りたい場合は、位置情報アプリを使用する方法がある。位置情報を知りたい相手と自分自身のスマートフォンにアプリをインストールし、位置情報を共有すれば、自分のスマホから相手の現在地を確認可能だ。子供が目的地に無事に着いたかどうかの確認や、高齢者の見守りなどに利用されるケースが多い。
■無許可でのインストールに注意
見守りだけでなく、恋人や配偶者の浮気チェックなど、本人には知られずに位置情報を確認したい場合もあるだろう。
ただし、無許可で他人のスマートフォンにアプリをインストールすることは、刑法の「不正指令電磁的記録に関する罪」という犯罪行為に該当する可能性がある。民法上のプライバシーの侵害に抵触する恐れもあるため、本人の許可なく位置情報アプリをインストールすることは控えよう。
※データは2023年11月中旬時点のもの。
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文/編集部