マンションの上階から響く騒音問題、訴えたら慰謝料はいくらもらえる？

ジャッジ

Xさんの勝訴です。

裁判所
「チミたち。音を抑えなさい。PM9:00〜AM7:00は40dB以下に。AM7:00〜PM9:00は53dB以下に。

あ、あと慰謝料ね。Xさん夫婦に30万円ずつ払いなさい」

▼ 耐えられる音はどれくらい？

裁判所の認定は以下のとおりです。

・40dBであれば、小さく聞こえるもののあまりうるさく聞こえない
・48dBを超えると、やや大きく聞こえ、うるささが気になる
・53dBを超えると、かなり大きく聞こえ、相当にうるさい

Xさんが騒音を測った結果では、床衝撃音が64dB〜76dBに達していました。というわけで裁判所は上記のとおり「騒音を抑えなさい」と命じました。

▼ ほんで、なんぼ？

慰謝料はXさん夫婦に30万円ずつです。それに加えて、騒音の測定費用64万円も認められています。

裁判所は「騒音測定は本件不法行為の立証に必要不可欠であり、この測定は第三者の専門家に依頼することが必要不可欠」と判断し、Yさん家族に「Xさんが出した測定費用も払え」と命じました。

▼ Xさんの妻が自律神経失調症に……

Xさんの妻は、騒音が原因で頭痛に悩まされ病院に行ったところ、自律神経失調症と診断されました。

Xさんの妻
「治療費・薬代で2万円払ったので、それも損害として認めてください」

裁判所
「OK！騒音が原因だもんね」
※ むずかしい言葉でいうと【相当因果関係あり】

今回は認めてくれましたが、いつも認められるとは限りません。でも、何か心身に不調が生じた時は通院して診断書を書いてもらいましょう。

さいごに

しかし、慰謝料30万円ずつって結構多いなと思いました。騒音が2年くらい続いていたからかな。物音って、1回気になり出したら止まらないから、けっこう我慢しましたよね。

「上の階のヤツうるせー！」と感じている人はこの判例を参考にしてみてください。測定費用も相手に請求できる可能性があります。お子さんがいる方は、PM9:00〜AM7:00は特に気をつけましょう。

今回は以上です。「こんな解説してほしいな〜」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう！

取材・文／林 孝匡（弁護士）
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