連載/山田美保子の「ギョーカイ裏トレンド図鑑」
季節がやっと秋めいてきたと思ったら、「木枯らし1号」が吹いたとのニュースが。秋はどこへ!?日本は本当に「四季」から「二季」になってしまうのかもしれない。
今年は衣替えに悩んだ方も多いのではないか。生ワイドやニュースの天気コーナーを担当する気象予報士やキャスターらは「夏物をしまっていいか」「長袖の羽織ものをいつ出すか」をしばらくの間、言い続けていたものだ。
夏物と冬物では、まず価格が大きく異なるが、それはクリーニング代にも比例する。夏物のシャツやパンツなどは家でジャブジャブ洗えるモノが大半かと思うが、冬物はそうはいかない。デザインに凝ったアウターやジャケットなどは、自宅での洗濯は無理。特に、自分にとって“一軍”のファッションアイテムは迷わずクリーニング店に出すだろう。
この一年ほど、値上げラッシュの中にクリーニング代の値上げもあった。それでなくても、ちょっと気を抜くと1か月の請求が2~3万円になってしまう我が家。最近は服を買うとき必ず、「家で洗えますか?」と聞くようにしている。
やっと出会えた“一軍の服”を洗える最高峰の洗剤
『バーニーズニューヨーク』で女性スタッフに紹介された『LIVRER』
先日、オリジナルのボレロを買った『バーニーズニューヨーク六本木店』で同様の質問をしたところ、女性スタッフさんから「『劇団四季』さんや『シルク・ドゥ・ソレイユ』さんが衣装を洗うのに使っている『LIVRER』(リブレ)という洗剤を御存知ですか?」と言われ、「買います!」と即答してしまった。
いつも同店を訪れるときは、『sacai』をはじめ気に入ったブランドが並ぶ店の奥へ直行してしまうので気づかなかったのだが、入ってすぐのところに並ぶ生活用品の中に、それはあった。
■洗剤を手掛けるのは有名人も利用するクリーニング店『LIVRER』
『LIVRER』は、横浜市都筑区と世田谷区三宿に店舗をもち、「すべてがプラチナ仕様」と謳うクリーニング店だ。
「職人が一点一点丁寧に洗い上げ」、「一点から宅配可能」で、芸能人の利用客も多いし、ハイブランド店で変わった素材が使われたモノを購入した際、スタッフから同店の情報を紹介されたことも、そう言えば過去にあった。
そんな『LIVRER』が「プロフェッショナルの神髄をシェアする時代へ」として開発したオーガニック洗剤が『バーニーズ~』に並んでいたのである。
女性スタッフが私に教えてくれた『劇団四季』や『シルク・ドゥ・ソレイユ』のキャストの衣装は、それこそ、洗いづらい生地に洗いづらい装飾が施されたモノばかり。公演は連日あって、演目によっては1回のステージで汗だくになってしまうこともあるだろう。
確かに言われてみれば、「お洗濯はどうしているの?」「いちいちクリーニングに出すの?」「それって、ものすごい金額にならない?」という疑問が次々とわく。スパンコールやビーズ、ラメなどが豊富に付いている衣装も多いだろうから、それらが外れないよう、「できれば自分の手で洗いたい」と思うキャストやスタッフも多いのだろう。
■高くても価値のある1本
「当然、フツーの洗濯用洗剤よりは高いです。でもクリーニングに出すことを思えば安くつきます」とは『バーニーズ~』のスタッフだ。
「シルク&ウール ディタージェント」や「スポーツ」「デニムウォッシュ」「ランジェリー ディタージェント」「アウトドア ディタージェント」などの種類が揃い、モノによっては容量が2サイズある。
『LIVRER』のHPをチェックすると、「洗濯用ブラシ」や「ランドリーネット」から「ブラシ」「衣類スチーマー」など、職人のテクニックに近づけるモノも多数揃っていた。
「衣類をアンチエイジングする洗濯用洗剤」で今冬の洗濯は楽しくなりそうな予感だ。
文/山田美保子
1957年、東京生まれ。初等部から大学まで青山学院に学ぶ。ラジオ局のリポーターを経て放送作家として『踊る!さんま御殿‼』(日本テレビ系)他を担当。コラムニストとして月間40本の連載。テレビのコメンテーターや企業のマーケティングアドバイザーなども務めている。