連載/山田美保子の「ギョーカイ裏トレンド図鑑」
コスメ需要が減っても売れ続けたアイブロウパウダーとは?
“withマスク”“マスク美人”から“顔パンツ”まで、マスクにまつわる流行語が出ては消えていったコロナ禍。
当時、売れなくなった“コスメワースト5品目”は、口紅、頬紅、ファンデーション、化粧下地、おしろい……と、いずれもマスクで隠れてしまうパーツに必要なモノばかりだった。
それなのにフルメイクをして出かければマスクの内側が汚れるだけ。「結果、薄化粧になった」「アイメイクだけになった」という女性は今も多いという。
だが、“感染予防”に加えて“変装”の意味もあり、昔からマスクに慣れ親しんでいたタレントたちにとって、こうしたトレンドは無関係だったようだ。
「もともと女性タレントは、オンとオフの区別をつけるために出演の仕事以外のときはノーメイクに近いことが多いのです。女優さんの場合はもっと顕著で、スッピンで局に現れて、帰りもメイク室ですべて落として帰られます」とはテレビ局のベテランヘアメイクの話である。
そんな中、一般の方にも芸能人にも売れ続けているモノがある。アイブロウパウダーだ。
2006年春にオープンして以来、男性客3割を誇る銀座の眉ケアに特化したサロン『mime』(ミメ)では、眉サロンだからこそ作ることができる“プロユース”の眉コスメ『LyuVie』(リューヴィ)の開発にも力を注いでいる。
有名人御用達サロンでもある『mime』では、「眉の存在は、その方の印象に大きな影響を与えます」としている。
この秋、待望の新色が登場
果たして今秋、「久しぶりにアイブロウパウダーの新色を発売することにいたしました」とは代表の川島典子氏。
「17年前、『LyuVie』のブランド立ち上げの際に、定番で使える色の他、オレンジ、ルビーブラウンをラインナップしておりました。当時、眉サロンもまだ珍しいなか、ちょっと早すぎた感じがあり、サロンワークに必要なブラウンとブラウングレーの2種に絞り込まれていったのですが、今回の新色はピンクブラウンとカーキブラウン。近年、大手各社もレッド、ピンク、オレンジなど、眉に新しいカラーを取り入れる試みが見られているなか、眉サロンの眉コスメだからこその提案はモードに寄り過ぎず、一過性のファッションで終わらせない、ちょっぴり新鮮な、でも毎日使える新しい色です」(川島さん)
開発には『mime』のアイブロウスタイリストが何度も試作を重ねたうえ、肌の自然な油分とパウダーがミックスされることにより、眉尻も落ちにくい処方を取り入れ、使いやすさにも配慮したという。
左から「アイブロウブラシSトラベル」3,300円、「スクリューブラシトラベル」1,650円
さらに、トラベルサイズのブラシ2種(リューヴィ アイブロウブラシSトラベル、リューヴィ スクリューブラシトラベル)が新発売。ブラシ部の毛質はそのままに、柄をギリギリまで短くし、ポーチの中に入れたり、旅先に持っていけたりするサイズが実現。これは3割を占める男性客からの要望によってできたモノだという。
眉メイクは男女問わずメイクの肝である
「アイメイクというとアイシャドウを真っ先に思い浮かべる方が大半だと思いますが、『大人のアイメイクはラインメイク』と言われるぐらいで、眉ラインとアイラインをしっかり整えると若々しい顔立ちになります」とは芸能人御用達ヘアサロンのオーナーだ。
たとえノーメイクだったとしても、マスクを着用していたとしても、眉メイクとアイラインを描いておけば、女性の場合は“すっぴん”に美しさが、男性の場合は表情にパワーが加わるということだ。
シンプルなパッケージなのでビジネスバッグや出張に持参するポーチに忍ばせてもOK。是非、男性読者にも試していただきたい!
文/山田美保子
1957年、東京生まれ。初等部から大学まで青山学院に学ぶ。ラジオ局のリポーターを経て放送作家として『踊る!さんま御殿‼』(日本テレビ系)他を担当。コラムニストとして月間40本の連載。テレビのコメンテーターや企業のマーケティングアドバイザーなども務めている。