あなたは人から「なにが言いたいのかわからない」と言われてしまったり、メールの文章が長すぎて肝心な要件が伝わっていなかったという経験はありませんか? ついいろいろ言いたくなってしまい、伝わらないモヤモヤを抱えていませんか?
実は、このような悩みは「ひと言でまとめる技術」の手にかかればすべて解決してしまいます。ポイントはたった2つ。「捨てる」それから「まとめる」。このコツさえつかめば、伝わり方が劇的に変わります!
言葉をまとめるプロが明かす、言語化と伝え方の究極のスキルをまとめた書籍『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』の中から一部を抜粋・編集し、雑談でたくさんモヤモヤを解消するヒントをまとめました。
【さあ、ひと言でまとめよう】相手の時間を奪わないために、簡潔な表現を身につける
まず法則をお伝えする前に、大事なお願いをもう一度言います。
勇気を持ってまとめてください。
日本人はとにかく「はっきりと物を言う」ことが苦手です。だから日本語もつい曖昧な表現になり、それを「察する」ことが美徳と考えている人もいます。
しかしこの本の目的は、「相手に敬意を持ち、時間泥棒にならないこと」です。
あなたが勇気を持ってひと言にまとめることが、相手のためにもなるのです。
それでは、実際にひと言にまとめるために必要な7つの法則をお伝えします。
[法則3]同じ言葉が文中に2 回以上出てくる場合は、言い換えるか省略する
「言葉が豊かな人」とは、つまり「語彙力が豊か」ということです。
とある日本文学者の方は、「語彙力とは言い換え力である」と明言されていました。そして、わかりやすい文章にするためには、「同一文内で、極力同じ言葉を使用しない」とも提示していました。
たとえば、この文章をご覧ください。
●私は村上春樹の小説が好きです。同時に、私は村上龍の小説も好きです。村上春樹と村上龍はほぼ同時期に名前が売れ、W村上などと呼ばれましたが、私は不満があります。なぜなら、村上春樹と村上龍の作風は全然違うと私は思うからです。
「私は」が繰り返されたり、「村上春樹」と「村上龍」が何度も出てきたりで読みづらいです。短文で区切られているのはいいのですが、これでは文全体が幼稚な印象を与えてしまいます。
同じ言葉が文中に2回以上出てくる場合は、言い換えるか省略することを意識してみましょう。
(修正例)
●私は村上春樹と村上龍、どちらの小説も好きです。二人はほぼ同時期に名前が売れ、W村上などと呼ばれましたが、不満があります。なぜなら、彼らの作風は全然違うからです。
語り手は自分ですから「私」の登場は一度にしました。そして村上春樹と村上龍のことは、「二人」「彼ら」と言い換えることで、すっきりと意味の通りやすい文章になりました。
このように「『重複する言葉を何に言い換えるか』をたくさん知っていること」が語彙力のひとつの目安です。
しかし、語彙力はそう簡単に身につくものではありません。小説や随筆など、良質な文章に毎日触れて、少しずつ育つものです。
「本を読んでいる時間はないので、いますぐすっきりした文章を書きたい!」という方は、「言い換え辞典」を使ってみるのもおすすめです。
〈練習問題〉
次の文章を、「同語言い換え省略法」で伝わりやすくまとめてみましょう。
●今回の契約についてですが、先に契約書を送っていただけますでしょうか。御社の契約書と弊社の契約書では書式が違うかもしれないので、契約前に確認をしたいと考えています。
↓
(修正例)
●今回は、事前に契約書を送っていただけますでしょうか。両社の書式の違いを確認させていただきたいです。
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いかがだったでしょうか?
「ひと言でまとめる技術」はビジネスパーソンの悩みだけを解決する技術ではありません。話をしてもパートナーに言葉が届いていないと感じている方。自分は面白いと思ったのに、友人の反応はイマイチ。ちゃんと伝えたつもりなのに間違った料理を出されてしまった。こんな悩みも解決する伝え方のコツも満載です。
「伝え方」を追求し続けてきた著者が、すべての「伝え方」で悩む人たちに手にしてほしい技を是非、書店でチェックしてみてください。
『ひと言でまとめる技術
言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』
著/勝浦雅彦/アスコム
勝浦雅彦
(かつうら・まさひこ)
コピーライター。法政大学特別講師。宣伝会議講師。
千葉県出身。読売広告社に入社後、営業局を経てクリエーティブ局に配属。その後、電通九州、電通東日本を経て、現在、株式会社電通のコピーライター、クリエーティブディレクターとして活躍中。また、15年以上にわたり、大学や教育講座の講師を務め、広告の枠からはみ出したコミュニケーション技術の講義を数多く行ってきた。クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、ADFEST FILM 最高賞、Cannes Lions など国内外の受賞歴多数。著書に『つながるための言葉』(光文社)がある。