あなたは人から「なにが言いたいのかわからない」と言われてしまったり、メールの文章が長すぎて肝心な要件が伝わっていなかったという経験はありませんか? ついいろいろ言いたくなってしまい、伝わらないモヤモヤを抱えていませんか?
実は、このような悩みは「ひと言でまとめる技術」の手にかかればすべて解決してしまいます。ポイントはたった2つ。「捨てる」それから「まとめる」。このコツさえつかめば、伝わり方が劇的に変わります!
言葉をまとめるプロが明かす、言語化と伝え方の究極のスキルをまとめた書籍『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』の中から一部を抜粋・編集し、雑談でたくさんモヤモヤを解消するヒントをまとめました。
【さあ、ひと言でまとめよう】相手の時間を奪わないために、簡潔な表現を身につける
まず法則をお伝えする前に、大事なお願いをもう一度言います。
勇気を持ってまとめてください。
日本人はとにかく「はっきりと物を言う」ことが苦手です。だから日本語もつい曖昧な表現になり、それを「察する」ことが美徳と考えている人もいます。
しかしこの本の目的は、「相手に敬意を持ち、時間泥棒にならないこと」です。
あなたが勇気を持ってひと言にまとめることが、相手のためにもなるのです。
それでは、実際にひと言にまとめるために必要な7つの法則をお伝えします。
[法則2]主語と述語の位置を離しすぎない
とあるバーで、こんな男女の会話を聞いたことがあります。
「僕はこれまでいろいろな女性と会ってきて、うまくいったときもそうでないときもあったけど、今夜みたいなデートは初めてで、本当に楽しかったし、君とずっと一緒にいたいと思うから、もし怒ったり、嫌がったりしないのであれば、差し支えなければ付き合いたい。どう思う?」
この話がわかりづらいのは、主語と述語の位置が離れすぎているのが原因です。
文章に限らず、人に何かを伝えるときに大事なのは、主語と述語です。
大切な主語と述語は、1文でまとめて冒頭に置いたり、別の文にしたりすることで格段にわかりやすくなります。
「僕は君と付き合いたいんだ。これまでいろいろな女性と会ってきて、うまくいったときもそうでないときもあった。だけど今夜みたいなデートは初めてで、本当に楽しかった。ずっと一緒にいたい。もし君が怒ったり、嫌がったりしないのであればだけど……どう?」
文末には少し感情の揺れを入れてあります。
こんなふうに単刀直入に言われたら、ドキッとするかもしれません。
〈練習問題〉
次の文章を、「主述近接法」で伝わりやすくまとめてみましょう。
●私は、企画から提案まで一人でやるのは初めてで、上司からは期待されていますが、無事に終わることだけを願っていて、とにかく緊張しています。
↓
(修正例)
●私は、初めて企画から提案まで一人でやるので、とにかく緊張しています。でも上司は期待してくれています。無事に終わりますように!
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いかがだったでしょうか?
「ひと言でまとめる技術」はビジネスパーソンの悩みだけを解決する技術ではありません。話をしてもパートナーに言葉が届いていないと感じている方。自分は面白いと思ったのに、友人の反応はイマイチ。ちゃんと伝えたつもりなのに間違った料理を出されてしまった。こんな悩みも解決する伝え方のコツも満載です。
「伝え方」を追求し続けてきた著者が、すべての「伝え方」で悩む人たちに手にしてほしい技を是非、書店でチェックしてみてください。
『ひと言でまとめる技術
言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』
著/勝浦雅彦/アスコム
勝浦雅彦
(かつうら・まさひこ)
コピーライター。法政大学特別講師。宣伝会議講師。
千葉県出身。読売広告社に入社後、営業局を経てクリエーティブ局に配属。その後、電通九州、電通東日本を経て、現在、株式会社電通のコピーライター、クリエーティブディレクターとして活躍中。また、15年以上にわたり、大学や教育講座の講師を務め、広告の枠からはみ出したコミュニケーション技術の講義を数多く行ってきた。クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、ADFEST FILM 最高賞、Cannes Lions など国内外の受賞歴多数。著書に『つながるための言葉』(光文社)がある。