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リーダーが部下の答えを引き出しやすくするために投げかけるべきひと言

2024.01.05PR

あなたは人から「なにが言いたいのかわからない」と言われてしまったり、メールの文章が長すぎて肝心な要件が伝わっていなかったという経験はありませんか? ついいろいろ言いたくなってしまい、伝わらないモヤモヤを抱えていませんか?

実は、このような悩みは「ひと言でまとめる技術」の手にかかればすべて解決してしまいます。ポイントはたった2つ。「捨てる」それから「まとめる」。このコツさえつかめば、伝わり方が劇的に変わります!

言葉をまとめるプロが明かす、言語化と伝え方の究極のスキルをまとめた書籍『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』の中から一部を抜粋・編集し、雑談でたくさんモヤモヤを解消するヒントをまとめました。

【ひと言でまとめるために、捨てる】「捨てる技術」を身につけて伝え方をアップデートする

[問題]ビジネスの目標達成のためにはどちらが大事でしょう?

1 何をするか決める
2 何をしないか決める

答えは2の「何をしないか決める」です。

ご存じの方もいるかもしれませんが、スティーブ・ジョブズが言い残したと言われている言葉です。

では、なぜ何をしないか決めることが大事なのでしょうか?

あなたはtodoリストをつくってはみたものの、優先順位をつけられないまま時が過ぎ、気づけば一日が終わってしまったという経験はないでしょうか?

どう考えても一日ではできないことなのに、つい詰め込んでやろうとしてしまう。夏休みの宿題と同じです。

人間は何かをしようとするとき、「いまの状況に何を足していくか?」から入りがちです。そのほうがプラスの行動に思えるし、「やっている感」が得られるからです。

ですが、この考え方で選択肢を増やしていくと、たいてい混乱します。

人間には、持っている時間にも行動のエネルギーにも、限りがあるからです。

するべきでないことは、視界から消してしまいましょう。

それによって、本当にやらなければならないことに注力できるようになります。

営業職だったころ、創業して間もないとあるベンチャー企業から電話がかかってきたことがありました。「新聞広告を出稿したいが、設立したばかりで実績がないので相談したい」といった内容でした。

先輩とともにさっそくその企業に向かったところ、プリント1枚の会社案内を見せられました。その事業目的の欄には「通信」「建設」「金融」「リサイクルショップ」「英会話教室」……挙げ句の果てには「占い」「パワーストーンの販売」といった項目までが書かれていました。

帰り道に先輩が、「あの会社は、おそらく飛ぶ(潰れる)ぞ。取引は見送ったほうがいい」とつぶやきました。1年後、その会社は影も形もなくなっていました。

「あれもこれもできます」というのではなく、「弊社は◯◯のプロです」と言ってもらうほうが信用できると思った瞬間でした。

■「捨てる」と「残す」を見極める

私は企業から預かった膨大な経営戦略、商品開発、市場調査などの資料を徹底的に読み込み、その99.99%を捨て、ほんの数行のメッセージに凝縮する仕事をしています。

クライアントは自社や商品に思い入れがありますから、「あれも言いたい。これも入れたい。その情報にも触れないとほかの部署が怒る」といった事情を抱えています。

私はその際、いったん事情をのみ込みつつ、「多くを言おうとするとひとつも伝わらなくなります」と、利用者の代弁者となって正論を伝えます。

まずは勇気を持って、「捨てる」ことからあなたの仕事を変えていきましょう。

この章では、ひと言でまとめるためのシンプルな技術を、「捨てるもの」「残すもの」という視点から問題形式でお伝えします。

[問題]上司に考えを問う場合、あなたならA・Bどちらの聞き方をしますか?

〈A〉部長は、今回のプロジェクトについてどう思っているんですか?

〈B〉部長は、今回のプロジェクトについて、予算とチーム編成どちらに課題があると思いますか?

[捨てる技術その12]「問い詰める質問」を捨てる

「我々はあまりにも多くの壁を造るが、架け橋の数は十分ではない」

これはイギリスの物理学者、アイザック・ニュートンの言葉です。

「人間の相互不理解」つまり、そもそもわかり合うことはできない、ということを如実に表しています。

なぜなら、私はあなたではないですし、あなたは私ではないので、「わかり合えた」と言われても確かめようがないからです。

ですが、ここで絶望しないでください。

だからこそ、相手のために投げかける「ひと言」がとても大事なのです。

さて、相手に質問を投げかけるときに、気をつけておきたいことが3つあります。

(1)相手の気分を害するような質問はしないこと
(2)相手が答えられる質問をすること
(3)相手に答えがあることを前提としないこと

(1)は言わずもがな、そもそも相手が話を平常心で聞けるような状態かどうかを確認したり、相手の気持ちを考えない質問になっていないかを考える必要があります。

私も20代のころは、まだまだ気配りの足らない人間でした。用事のある人を見つけると「一瞬よろしいですか? この資料ですが」と、相手の反応を聞かずに話し出したりしていました。

この「一瞬」は、まったく一瞬ではありません。数分どころか、下手したら立ち話で数十分も話し込むことになり、ずいぶんと先輩をイライラさせたりしたものです。

そんな迷惑な同僚にならないための対策としては、「いま話しかけていいですか?」と聞いてから、話し始めるようにしましょう。

●選択肢を与えない質問はしない

考えずに話をする人を相手にしていると、「どう答えていいかわからない質問」をよくされます。

広告の講義をしていれば、「私の案は、どうやったらよくなりますか?」、就活指導をしていれば、「私はどうやって就活したらいいと思いますか?」など、答えるとしたら「企画とは」「就活とは」をイチから教えないといけないような質問が飛んできます。

これは、質問というより、「答えを相手に全振りした独り言」だと考えています。

自分が質問される側に立ったときのことを想像すれば、こういう質問を投げかけないはずです。

相手が困る質問をしないためには、「○○についてはAとBの方法があると思いますが、どちらが最適だと思われますか?」というように、自分のなかで質問内容を一歩深く考えて、選択肢を用意してから、相手に委ねることで答えやすくなります。

選択肢があれば、人は判断しやすくなるのです。

仮にAもBも気に入らなかったとしても、それを踏まえてCを導き出すきっかけをつくることもできます。

「マクドナルド理論」をご存じでしょうか?

これは「実行可能なアイデアのうち、ライトで安易なものを提案することによって、ディスカッションが始まり、人々が急にクリエイティブになること」を言います。

ランチタイムに、「どこの店に行くか?」を考えたとき、「どこにしようか?」となったまま話が進まなくなったことはないでしょうか?

そこで「マクドナルドにしようよ」と提案してみます。すると安価なマクドナルドが選択肢に入ったことで、「マクドナルドは嫌だ。もっと腹にたまるものがいい」「いや、いまはマクドナルドくらいの気分だ」と、その基準からディスカッションが生まれるのです。

選択肢がない状況に対して、人は判断できないことが多いのです。

さて、(3)です。

(1)(2)を駆使してもなお、相手に答えや意見がない場合もあります。そのときは、素直にいったん引き下がりましょう。「あの人なら、あのことを当然考えてくれているはずだ」というのは、自分の思い込みである場合も多いです。

あくまで謙虚に、「では、次のタイミングで答えを聞かせてもらえますか」などとしておけば、相手に余裕を与えることができるし、自分にもさらに考える時間が生まれます。

●相手が答えやすい質問をするコツ

さて質問例文のAは、「部長はどう思っているんですか?」という、問いが漠然としているうえに、聞きようによっては相手を責めているように捉えられかねない言い方をしています。これでは、上司も「部下に突き上げられたのか?」と身構えてしまいます。

正解であるBのように、論点を明確に、かつ選択肢を用意して質問すれば、上司のなかに仮説があれば、すぐに答えが戻ってきます。相手がまったく考えていなかったとしても、「あなたがいま何を気にしているのか」が伝わりますし、「ちょっと待って、一緒に資料を見て考えよう」などと前向きな状況に移行するかもしれません。

相手の立場に立って、答えやすい質問をする。

これは、学生から社会人まで必須のスキルです。

【まとめ】答えを引き出しやすくするために、「問い詰める質問」を捨てる。

★ ★ ★

いかがだったでしょうか?

「ひと言でまとめる技術」はビジネスパーソンの悩みだけを解決する技術ではありません。話をしてもパートナーに言葉が届いていないと感じている方。自分は面白いと思ったのに、友人の反応はイマイチ。ちゃんと伝えたつもりなのに間違った料理を出されてしまった。こんな悩みも解決する伝え方のコツも満載です。

「伝え方」を追求し続けてきた著者が、すべての「伝え方」で悩む人たちに手にしてほしい技を是非、書店でチェックしてみてください。

『ひと言でまとめる技術
言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』
著/勝浦雅彦/アスコム

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勝浦雅彦
(かつうら・まさひこ)
コピーライター。法政大学特別講師。宣伝会議講師。
千葉県出身。読売広告社に入社後、営業局を経てクリエーティブ局に配属。その後、電通九州、電通東日本を経て、現在、株式会社電通のコピーライター、クリエーティブディレクターとして活躍中。また、15年以上にわたり、大学や教育講座の講師を務め、広告の枠からはみ出したコミュニケーション技術の講義を数多く行ってきた。クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、ADFEST FILM 最高賞、Cannes Lions など国内外の受賞歴多数。著書に『つながるための言葉』(光文社)がある。

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