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謝罪の場で相手をイラつかせる「永田町用語」を避けるコツ

2024.01.12PR

あなたは人から「なにが言いたいのかわからない」と言われてしまったり、メールの文章が長すぎて肝心な要件が伝わっていなかったという経験はありませんか? ついいろいろ言いたくなってしまい、伝わらないモヤモヤを抱えていませんか?

実は、このような悩みは「ひと言でまとめる技術」の手にかかればすべて解決してしまいます。ポイントはたった2つ。「捨てる」それから「まとめる」。このコツさえつかめば、伝わり方が劇的に変わります!

言葉をまとめるプロが明かす、言語化と伝え方の究極のスキルをまとめた書籍『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』の中から一部を抜粋・編集し、雑談でたくさんモヤモヤを解消するヒントをまとめました。

【ひと言でまとめるために、捨てる】「捨てる技術」を身につけて伝え方をアップデートする

[問題]ビジネスの目標達成のためにはどちらが大事でしょう?

1 何をするか決める
2 何をしないか決める

答えは2の「何をしないか決める」です。

ご存じの方もいるかもしれませんが、スティーブ・ジョブズが言い残したと言われている言葉です。

では、なぜ何をしないか決めることが大事なのでしょうか?

あなたはtodoリストをつくってはみたものの、優先順位をつけられないまま時が過ぎ、気づけば一日が終わってしまったという経験はないでしょうか?

どう考えても一日ではできないことなのに、つい詰め込んでやろうとしてしまう。夏休みの宿題と同じです。

人間は何かをしようとするとき、「いまの状況に何を足していくか?」から入りがちです。そのほうがプラスの行動に思えるし、「やっている感」が得られるからです。

ですが、この考え方で選択肢を増やしていくと、たいてい混乱します。

人間には、持っている時間にも行動のエネルギーにも、限りがあるからです。

するべきでないことは、視界から消してしまいましょう。

それによって、本当にやらなければならないことに注力できるようになります。

営業職だったころ、創業して間もないとあるベンチャー企業から電話がかかってきたことがありました。「新聞広告を出稿したいが、設立したばかりで実績がないので相談したい」といった内容でした。

先輩とともにさっそくその企業に向かったところ、プリント1枚の会社案内を見せられました。その事業目的の欄には「通信」「建設」「金融」「リサイクルショップ」「英会話教室」……挙げ句の果てには「占い」「パワーストーンの販売」といった項目までが書かれていました。

帰り道に先輩が、「あの会社は、おそらく飛ぶ(潰れる)ぞ。取引は見送ったほうがいい」とつぶやきました。1年後、その会社は影も形もなくなっていました。

「あれもこれもできます」というのではなく、「弊社は◯◯のプロです」と言ってもらうほうが信用できると思った瞬間でした。

■「捨てる」と「残す」を見極める

私は企業から預かった膨大な経営戦略、商品開発、市場調査などの資料を徹底的に読み込み、その99.99%を捨て、ほんの数行のメッセージに凝縮する仕事をしています。

クライアントは自社や商品に思い入れがありますから、「あれも言いたい。これも入れたい。その情報にも触れないとほかの部署が怒る」といった事情を抱えています。

私はその際、いったん事情をのみ込みつつ、「多くを言おうとするとひとつも伝わらなくなります」と、利用者の代弁者となって正論を伝えます。

まずは勇気を持って、「捨てる」ことからあなたの仕事を変えていきましょう。

この章では、ひと言でまとめるためのシンプルな技術を、「捨てるもの」「残すもの」という視点から問題形式でお伝えします。

[問題]想定外のミスへの対応を問われた際、あなたならA・Bどちらで答えますか?

〈A〉想定外のミスが起きたことを、誠に遺憾に思います。可及的速やかに、善処して参る所存です。

〈B〉誠に申し訳ございません。現時点で判明しているのは、システムエラーが原因ということです。より正確な調査を行い、再発防止に全力を注いで参ります。

[捨てる技術その5]「曖昧なゴール」を捨てる

「永田町用語」というカテゴリーがあります。これは、永田町の政治家が答弁やスピーチで繰り出す、難解で意味のわかりづらい言葉のことです。

「スピード感を持って改善」
「極めて遺憾」
「注視」

ニュースで聞いたことがあるこれらは、政治家という立場上、「物事をはっきり伝えると責任をとらなければいけなくなる」ので、曖昧な言葉で濁しているわけです。

ですが、裏の意味はもうとっくにバレていて、SNSなどで突っ込まれているのをよく目にします。

「スピード感を持って改善」→何をどう改善するのか具体策は言わない。

「極めて遺憾」→残念には思うが、何かをするわけではない。

「注視」→見ているだけ、何もしない。

それでもなお現在も、曖昧な言葉でその場を乗り切ろうとする攻防戦が繰り広げられています。

Aはまず遠回しに、「ミスは想定外であった」と言い訳から入っています。気持ちはわかりますが、言い訳から入るのは悪手です。

相手が聞きたいのは、現状把握と対応策です。謝罪のような緊迫した場面では、解釈のブレがない言葉遣いが要求されます。

相手はすでにマイナスの感情を抱いているわけですから、具体的な対応策がないと傷口がどんどん広がっていってしまいます。

この場合、「善処」という言葉も、実際には何をするのかが伝わってきません。仮に「対応」や「改善」と言い換えても同様です。「それ、具体的にはどうする気なの?」と、相手がフラストレーションを抱えてしまいます。

その認識のズレをほうっておくと「自分たちがいま何を問題にしているのか、本当にわかっているのだろうか?」という疑念が生まれてしまうのです。

●ミスは関係をプラスに変えるチャンス

正解であるBは、まず謝罪をしています。

謝罪会見を監修するプロの方にお話を聞いたことがありますが、「まずは非を認めて、丁寧に謝ること」、これに尽きるそうです。

人間にはプライドや防御本能が備わっているので、全面的な謝罪を生理的に拒否する傾向があるそうです。そういう悪手を繰り返している著名人は多いですが、感情ではなく理性で謝罪をすることが求められます。

そして、可能な限り情報を開示し、できうる限りの対応策を相手に伝えましょう。

このときも、難解な言葉や専門用語を並べてはいけません。相手が煙に巻かれたような印象を持ってしまいます。

最後に、「ミスをプラスに変える」という気持ちを持つことも大事です。

起きてしまったことは取り返しがつきませんが、ミスや失敗を結果的にプラスにつなげた事例は山ほどあります。トヨタの有名な生産方式「カイゼン」でも、「小さく失敗して、大きく成功する」という理念が貫かれています。

かつてメルセデス・ベンツ日本の新聞広告で、「人は誰でもミスをする。」というキャッチコピーがありました。3歳くらいの女の子が、手に持ったグラスのミルクを床にこぼしてしまっているビジュアルです。

人間が人間である限り、ミスから逃れることはできません。

その真理をベンツが語ることで、安全への自信と優しい目線が伝わってきます。

ミスをするのが恥ずかしいのではなく、そこから逃げてごまかそうとするのが恥ずかしいのです。適切にリカバリーし、それを糧に成長してよりよい仕事で返せば、ミスされた側にも巡り巡ってプラスになるはずです。

【まとめ】自分の意思を明確に伝えるために、「曖昧なゴール」を捨てる。

★ ★ ★

いかがだったでしょうか?

「ひと言でまとめる技術」はビジネスパーソンの悩みだけを解決する技術ではありません。話をしてもパートナーに言葉が届いていないと感じている方。自分は面白いと思ったのに、友人の反応はイマイチ。ちゃんと伝えたつもりなのに間違った料理を出されてしまった。こんな悩みも解決する伝え方のコツも満載です。

「伝え方」を追求し続けてきた著者が、すべての「伝え方」で悩む人たちに手にしてほしい技を是非、書店でチェックしてみてください。

『ひと言でまとめる技術
言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』
著/勝浦雅彦/アスコム

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勝浦雅彦
(かつうら・まさひこ)
コピーライター。法政大学特別講師。宣伝会議講師。
千葉県出身。読売広告社に入社後、営業局を経てクリエーティブ局に配属。その後、電通九州、電通東日本を経て、現在、株式会社電通のコピーライター、クリエーティブディレクターとして活躍中。また、15年以上にわたり、大学や教育講座の講師を務め、広告の枠からはみ出したコミュニケーション技術の講義を数多く行ってきた。クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、ADFEST FILM 最高賞、Cannes Lions など国内外の受賞歴多数。著書に『つながるための言葉』(光文社)がある。

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