健康の秘訣はバランスのとれた食事と辛口の日本酒!?
美智子さんとYouTubeとの出会いは、現在高校生のお孫さんに教えてもらったことがきっかけだった。最初は好きなインテリアやお部屋紹介動画を見るだけだったが、自分でもやってみたいという気持ちが徐々に芽生えてきたという。
現在は、撮影・編集を担当するお孫さんと2人で日々動画を投稿。そこに元気の源がある。
「動画を投稿するたびにいろんな方からコメントをいただくんですが、それがとっても励みになり、元気の源なんです。ただ普通の生活を紹介しているだけなんですが、あたたかいコメントを読ませていただくと、『私はこのままでいいんだ』という自信が湧いてくるんですよね」
そんな美智子さんの健康の秘訣は毎日やっている料理とバランスの良い食事。肉、魚、野菜を満遍なく食べること。そしてもう一つ、欠かせないものがある。
「私、お酒が好きで特に辛口の日本酒が大好きなんです。毎日、蕎麦猪口に一杯、100ccぐらいをいただいてます」
実は美智子さん、若い頃からお酒が大好き。日本酒を始め、寒い季節はホットウイスキーや焼酎も楽しんでいるとか。
「一日の締めに飲むと、今日も頑張れたと思えてホッとした気持ちになるんです。昔からほぼ毎日飲んでいたので、もしかしたらお酒も長生きの秘訣かもしれませんね笑」
おばあちゃんYouTuber多良美智子さん 88年の人生を振り返る
現在88歳の美智子さんは昭和9年(1934年)長崎県生まれ。兄、姉、妹を含む8人きょうだいの7番目という大家族で育った。
幼い頃はどんな子供だったのか?そして88年の人生を振り返り、今思うことは?
――小・中学生の頃はどんなお子さんでしたか?
「すごく恥ずかしがり屋で同級生だけでなく、姉たちとも話した記憶がないぐらい控えめでした。何か話したいことがあっても、母の耳元でこそこそしゃべるような子供だったんです」
「とにかく自分から話しかけることができなかったですし、目立つことも嫌いで人の陰に隠れてたり。今でも1対1で話すのは苦手なのでいつも聞き役になってます」
――子供の頃、楽しかったことは?
「当時は読書が一番の友でした。『あしながおじさん』や『赤毛のアン』、夏目漱石は中学時代に全部読み終えたほど。姉が持っていた本を片っ端から読んでいましたね」
そして、小学生の頃に戦争を経験。長崎の都心部で暮らしていた美智子さんは山間の町に疎開したという。
「疎開先では毎日長い距離を歩いて学校に行っていたんですが、体があまり丈夫ではなかったので1日学校に行ったら2、3日お休みするという生活でした。そして終戦後は実家に戻ったんですが食べるものが全然ないんですよね。お粥も薄いお粥だったり、カボチャだけのご飯だったり。それが本当に辛かったです」
辛い日々を乗り越え、ようやく平穏な日常が戻ると、大家族での賑やかな生活が始まった。
ただ、その頃美智子さんが思い描いていた夢は意外なものだった。
「大家族で過ごしていたので、とにかく早くここから抜け出して一人になりたいというのが夢でした」
――大家族と聞くと楽しそうなイメージがありますが?
「もちろん家族は大好きですし楽しいんですが、一人で本を読んでいたい、静かに本を読みたいとずっと思っていたんです。高校を卒業したら仕事を始めて一人暮らしをしたいと思っていたんですが、地元長崎での就職が難しかったので大阪にいる叔父の会社にお世話になりました。叔父の家族と暮らして1年後、ようやく一人暮らしができるようになったんです」
「一人になってからは大好きな読者を楽しんだり、会社の人とスキーに行ったりコンサートに行ったり、20代を満喫してましたね」