米国企業VSシリーズ「米国4大航空会社株を徹底比較」
そもそも航空会社は、日々のビジネスや旅行など、国内線と国際線の移動において重要な役割を担っていますが、コロナ禍で特に落ち込んだ産業のひとつでした。
こうした苦しい時期が終わり、現在の航空会社の業績はV字回復が続いています。
なかでも世界の航空会社ランキングのTOP4を独占する、米国4大航空会社の株価がじわじわと注目を集めています。
そこで今回の米国企業VSシリーズは「米国4大航空会社」について、米国特有の航空事情や4大航空会社の売上や株価などを徹底比較していきます。
米国特有の航空事情
そもそも米国は日本と異なり国土が広いため、航空会社が航空インフラを支えている特徴があります。多くの国では1カ国に1航空会社がスタンダードであり、政府の介入もあります。
日本はJALとANAの大手2社体制とめずらしいですが、米国は大手4社の民間航空会社がある特殊な環境であり、こうした事情も航空事情として抑えておくと良いでしょう。
それでは米国4大航空会社の主要ビジネスと近年の売上高、株価をみていきましょう。
■アメリカン航空グループ
アメリカン航空グループ(AAL)は世界一の総旅客数がある航空会社です。
主な事業活動および子会社事業としては、アメリカン航空とグループ会社のエンボイ航空などを介して、定期便や貨物、郵便サービスなどを提供しています。
現在、約50カ国に350以上の目的地にむけて1日で約6700便の運行を運営しています。
売上高の推移(単位:百万ドル)は下記のとおりです。
【2019年】45,768.00【2020年】17,337.00【2021年】29,882.00
【2022年】48,971.00【2023年(予想)】52,772.06
このように、売上高はコロナ前の水準を2022年に上回り、2023年はさらに売上高が伸びることが予想されます。
対照的に株価はコロナ前の26ドル付近から、現在(11/14)は11ドル台を推移しており、株価は半減しています。
■デルタ航空
デルタ航空は世界一の売り上げを誇る航空会社です。
主な事業展開としては、航空会社と製油所の2つのセグメントがあります。
航空会社としては、航空路線を使って旅客や荷物、郵便を運び、飛行の状況や予約、荷物の処理などのサービスも提供するなど、米国全土と世界中で事業を展開しています。
精油所としては、ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料などを生産しています。
売上高の推移(単位:百万ドル)は下記のとおりです。
【2019年】47,007.00【2020年】17,095.00【2021年】29,899.00
【2022年】50,582.00【2023年(予想)】54,621.11
アメリカン航空同様、売上高はコロナ前の水準を2022年に上回り、2023年はさらに売上高が伸びることが予想されます。
対照的に株価はコロナ前の60ドル付近から、現在(11/14)は34ドル台を推移しており、株価は半減しています。
■ユナイテッド航空
ユナイテッド航空ホールディングスは、旅客キロにおいて業界トップです。
主要な子会社であるユナイテッド航空は、全米や世界中に人と貨物を輸送します。6大陸340以上の空港にアクセスし、1日に約5000便が運行しています。
売上高の推移(単位:百万ドル)は下記のとおりです。
【2019年】43,259.00【2020年】15,355.00【2021年】24,634.00
【2022年】44,955.00【2023年(予想)】53,671.07
他の航空会社と同様、売上高はコロナ前の水準を2022年に上回り、2023年はさらに売上高が伸びることが予想されます。
対照的に株価はコロナ前の77ドル付近から、現在(11/14)は38ドル台を推移しており、株価は半減しています。
■サウスウエスト航空
サウスウエスト航空は、米国や近隣の国際フライトで定期航空輸送を提供しています。
主にメキシコ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ベリーズなど、約100の目的地へ運行しています。
売上高の推移(単位:百万ドル)は下記のとおりです。
【2019年】22,428.00【2020年】9,048.00【2021年】15,790.00
【2022年】23,814.00【2023年(予想)】25,973.64
上記3社の航空会社よりも規模は劣るものの、米国4番目の売上を持つ航空会社です。
他の航空会社と同様、売上高はコロナ前の水準を2022年に上回り、2023年はさらに売上高が伸びることが予想されます。
対照的に株価はコロナ前の57ドル付近から、現在(11/14)は22ドル台を推移しており、株価は半減しています。