スタートアップ投資の規制
個人投資家が、スタートアップへ投資するには1社につき年間一律50万円という投資金額に上限が設けられている。
この投資金額の上限は、個人投資家でも特定投資家になればなくなる。
特定投資家は、プロの投資家とされ、リスクの高いスタートアップへの投資であっても、ほとんど規制なく投資が可能だ。特定投資家として登録するには、資産や収入額が大きい必要があったが、2022年9月から特定の知識があれば年収1,000万円以上から特定投資家に登録できるようになった。
上記に該当すれば、スタートアップへの投資額に上限はない。
その他以下のような特定投資家に登録できる条件があるが、大きな資産または収入が必須条件になる。
<パターン1>
・純資産または有価証券等の資産が1億円以上
・有価証券等の取引経験1年以上
・上記図の(2)の特定の知識を有する
<パターン2>
・純資産3億円以上または有価証券等の資産が3億円以上
・有価証券等の取引経験1年以上
・有価証券等の取引実績が1年間で月平均4件以上
<パターン3>
・純資産5億円以上または有価証券等の資産5億円以上または年収1億円以上
・有価証券等の取引経験1年以上
<パターン4>
・純資産3億円以上かつ有価証券等の資産3億円以上
・有価証券等の取引経験1年以上
2022年9月からの特定投資家への登録の条件が緩和されたことで、年収1,000万円以上で特定知識があれば投資上限なく投資できるようになったが、特定の知識があることに該当するには、金融機関に勤めていたり、特定の資格が必要になったりすることから、年収があっても条件に該当しない人もいるだろう。
2024年から投資上限が年収毎に
特定投資家に該当しない個人は、1社あたり年間50万円までと投資上限があったが、2024年からその投資金額の上限が年収毎に設けられるようになる予定だ。
今後、金融審議会で議論され、2024年には新しい上限が設けられる予定だ。
その他の国では、アメリカが年収または純資産の5~10%まで、ヨーロッパが純資産の10%まで、イギリスが純資産の10%というように、年収に応じて上限額を設けており、2024年の制度もその他の国のように年収や純資産に応じた上限額が設けられると想定される。
スタートアップ投資は上場株式に比べるとリスクが高いことから、創業間もない企業のビジネスモデルが革新的で応援したい、日本のためになるような事業だから支援したいという気持ちで投資する人が多い。そのことから、投資上限が上がれば50万円までではなく、個人が投資でさらなる支援ができるようになる。
(参考)
(参考)特定投資家制度 | 日本証券業協会 (jsda.or.jp)
特定投資家に関する情報:金融庁 (fsa.go.jp)
日経新聞2023年10月18日「個人の進行投資 上限拡大」
金融庁 2023年10月3日 第1回金融審議会 資産運用に関するタスクフォース
03.pdf (fsa.go.jp)
文/大堀貴子
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