ジャズを聴いてみよう!
1940年代後半、ジャズに革命的な現象が起きた。
ビバップである。
それまでのジャズは、ビッグバンドが演奏する「踊れる音楽」だった。徹頭徹尾楽譜に忠実で、指揮者のタクトの通りに楽器を奏でるスタイルである。しかし、それに飽きた者が少人数で既存の曲を自由に演奏し出した。コード進行には忠実ながらもアドリブを利かせ、やがてアドリブがテーマよりも長くなった。それがジャズの一形態、そしてジャズの変革運動であるビバップだ。
これ以降のジャズは、完全に「聴く音楽」と化した。ダンスホールの客に踊りの曲を提供するのではなく、ただただ己のサウンドをナイフのように研ぎ澄ますタイプのジャズ。レコーディング技術の進化も相成り、50年代から60年代にかけて数多くの名盤が登場した。
現在はそれらの音源のデジタルリマスターが進められているが、ならばそれを聴く側も相応の機器を用意しておきたい。
アンプを通じて聴くジャズは、ジョン・コルトレーンにしろマイルス・デイヴィスにしろチャーリー・パーカーにしろ、それぞれの楽器担当が「協調している」と見せかけて実は「競っている」ことが分かるはず。
ビッグバンド時代のジャズは、奏者同士が最後まで協調しなければならなかった。ビバップはその掟を破る代わりとして「譜面からの自由」を手に入れたのだ。
「同軸ドライバー」は当たり前に
有線イヤホン『EH 100』も、なかなか興味深い製品である。
ダイナミック型ドライバー2基とBAドライバー1基を搭載しているということだが、最近では低価格帯のイヤホンでも同軸ドライバーというものが搭載されるようになった。同軸即ち縦にドライバーを2基並べるというわけだ。
有線イヤホン自体は昔からあるが、筆者の実感ではここ5年ほどで急にパフォーマンスが向上したように思う。その要因は複数あるものの、やはりドライバーの技術的進化は見逃せない。ドライバー自体が大型化し、その上同軸配置という形で複数のドライバーを内蔵することも珍しくなくなった。
ただ、この『EH 100』を使う際も極力『UA 100』に接続したほうがいいだろう。
ポータブルアンプは、今後現代人にとっての必需品になる可能性が少なくない……と思うのは筆者だけだろうか。
【参考】
EarFun UA 100
https://www.myearfun.com/jp/accessories/earfun-ua100-portable-usb-dac
EarFun EH 100
https://www.myearfun.com/jp/headphones/earfun-eh100-hi-fi-earphones
取材・文/澤田真一