【雑談力を一生もののスキルに育てるコツ】デリカシーのない人と言われない5つのルール
デリカシーのない人に出会うことがありませんか。
「◎◎さん、口数が少ないですね」
こんなふうに、相手が気にしていること、コンプレックスに思っていることを平気で言う人。
雑談は、親睦であり、人と仲良くなるためのコミュニケーションです。なのに、相手の嫌なことを平気で言う人は、雑談の意味を理解していないんだと思います。
他人の負の領域にズカズカ入ってくるので、こういう人と話さないといけないときは、ちょっときついですよね。
しかし、話している本人は「デリカシーに欠ける」と気づいてない場合が大半です。それがわからないから配慮できないのです。
そして、話している本人が気づきにくいということは、もしかするとあなたもやってしまっている可能性があるかもしれません。
次の項目で、「自分のデリカシー度」をチェックしてみてください。
■自分のデリカシー度をチェックしよう
「デリカシーのない人」は、大まかに次の5つの特徴があります。
この5つの項目のうち、ひとつでも当てはまればデリカシーに欠けている可能性があります。
[デリカシー度チェック1]自分の好奇心を優先してしまう
自分が興味のあることなら、相手の個人的情報を気にせず聞いてしまいます。それが相手が聞かれたくないことだったとしてもです。
● 年齢、出身地、居住地、学歴、職歴、家族構成、年収、結婚歴、病歴、宗教、政治的信条など、極めて個人的な領域をあれこれ詮索しようとする。
● 親しくない相手に、「休日何してたの?」とか、「彼氏(彼女)いるの?」などのプライベート情報を聞く。
質問している本人は、相手の属性を深く知りたいと思っているのでしょうが、プライバシーに関わることは、聞く内容に気をつける必要があります。
[デリカシー度チェック2]自慢話ばかりをしてしまう
自分がどれほどすごい人間か、自慢話ばかりする。
成功談、実績、周囲からどう見られているかなど、「私は、私は」と、自分の話ばかり。「誰もが私の話を聞きたい」と思っているとしたら、それは勘違いです。
[デリカシー度チェック3]秘密をバラす
「◎◎さんって、▲▲らしいですよ」
人は噂話が大好き。他人の秘密を知ることも好きです。
だからといって、人の秘密をペラペラしゃべるのは、配慮に欠けるし、何より人から信用してもらえなくなります。
[デリカシー度チェック4]パワハラ・セクハラをする。下ネタが多い。下品
「セクハラは、好きな人にされたいことを、嫌いな人にされること」という言葉があります。
「相手が自分のことを好きだと思っている」「このくらいは許してくれる」と考えているところから、セクハラは起きると言われています。
パワハラも同様に、優越的立場を使って適正な範囲を超えた言動をすることが問題になるのです。自分で判断するのが難しいことだけに極めて慎重になるべきです。
[デリカシー度チェック5]マナーが悪い。不潔。声が大きい
マナーが悪い。不潔は当然として、声の大きな人は、ノイズハラスメント扱いされます。場の雰囲気、話の内容に応じて声の大きさに注意することも忘れないように。
いかがでしたか? ひとつでも当てはまるものがあったら要注意。あなたは、周囲に「デリカシーがない人」と思われているかもしれません。
■自分のデリカシー度を矯正しよう
では、デリカシーのない人と思われないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
ふだん雑談をしているときに、次の項目に思い当たることをしていないか、チェックして、もしそう思っていたり、やっていそうならば矯正をしていってください。
1[相手のプライバシー情報を知るほど、相手と深い知り合いになった気がする]
→プライバシーに関わるような内容は、自分から聞くのはなるべく避けましょう。
ただし、年齢や出身地などが、相手との話のタネになることもあります。なので、先に自分の年齢や出身地を言ってしまうというのはアリです。
それに対してどう答えるかは相手次第なので、配慮した話し方にはなると思います。
2[話に「私は」「僕は」「俺は」と一人称が多い]
→自分のことについてばかり語っている可能性が大きいです。主語を「あなたは」にして、相手の話を聞くように心がけましょう。
[この話を過去にした覚えがある]
→何度もしている話は、「自慢話」になっている可能性があります。
話すうちに自分の中で美化されて、自分1人で酔うような話になっている可能性もあるので、「この話、前にもしたかも」と思ったときは、とりやめるのが賢明です。
3[いない人の話をしている]
→本人のいる前で、悪口や暴言を吐く人はあまりいません。その人がいないところで、その人を話題にしているときに、「あの人、実はね……」と秘密をバラしたりするものです。いない人の話は極力さけましょう。
4[相手は自分を好きだと思い込んでいる]
→セクハラやパワハラは、相手が自分を好きだ、許してくれる、抵抗しないと思い込んでいるところから起きがちです。自分と相手の距離感をしっかり見極めましょう。
5[鏡を見る回数が少ない]
→身だしなみは、自分を客観視するところからはじまります。トイレに行った際は必ず、街のショーウィンドーに映った自分も見るなどして、自分の服装や髪型が今、どうなっているかをチェックするようにしましょう。
俳優のチャールズ・チャップリンは、
「私たちがみんなで、小さな礼儀作法に気をつけたなら、人生はもっと暮らしやすくなる」
と言っています。
一人ひとりのちょっとした配慮によって、雑談のしやすさも変わります。
あなたが「この人と話すの、しんどいなぁ」と思う人をよく観察し、反面教師にしてください。
ペラペラと、話し上手になるよりは、まずは礼儀正しく、デリカシーのある人になることを目指しましょう。
〈ポイント〉
相手に「この人とは話したくない」と思われないよう、自分の「デリカシー度」をチェックする。
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雑談が上手い人が話す前にやっていること
著/ひきたよしあき/アスコム
ひきたよしあき
コミュニケーション コンサルタント。
スピーチライター。
大阪芸術大学芸術学部放送学科 客員教授。
早稲田大学法学部卒業。博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。
政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、幅広い業種・世代の価値観、世代間のギャップ、言葉遣いの違いなどを分析し、コミュニケーション能力が高まる方法を伝授する。
また、大阪芸術大学、明治大学、慶應MCCなどで教え、「はじめて『わかった!』と心の底から思えた講義」「一生ものの考える力が身につく」と学生や社会人から支持を集める。
教育WEB「Schoo」では毎回事前予約が約20,000人、朝日学生新聞社「みんなをつなぐ新聞WEB」では、毎回1,200人近い子どもと保護者が参加する人気。
著書に『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『大勢の中のあなたへ』(朝日学生新聞社)、『トイレでハッピーになる366の言葉』(主婦の友社)など。