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パッケージやキャッチコピーに騙されない!賢い消費者になるための「食品表示」の正しい見方

2023.11.17

食品表示を見るポイント3 名称

一般食品には、「〇〇のおいしい水」などメーカーがつけた商品名とは別に、食品表示基準で定められた「名称」を表記する決まりがあります。

例えば見た目がクッキーのように見えるお菓子でも、「クッキー」「ビスケット」「焼き菓子」などいくつかの名称があります。名称はメーカーが勝手に付けて良いわけではなく、成分や加工方法によってきちんと決められています。

そのため、商品名やキャッチコピーに惑わされることなく求めている食品を購入したいときに役立ちます。

【主な乳製品の「名称」付け方ルール】

食品表示の名称のなかでも特にややこしいのが乳製品です。こちらでは主な乳製品としてアイス・牛乳・バターとマーガリンを例に解説します。

■アイスの場合

● アイスクリーム…生乳などを原料として製造した食品を加工し、凍結させたもの。乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)であること。
● アイスミルク…上記の製法で作られ、乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)であるもの。
● ラクトアイス…上記の製法で作られ、乳固形分3.0%以上のもの。
● 氷菓…水、牛乳などの液体食品に果汁や砂糖などを加え、凍結させたもの。乳固形分3.0%未満であること。

コンビニやスーパーで売られている「アイス」は含有成分によって大きく4種に分類されます。

ただし、乳等省令(※)によると氷菓はアイスクリーム類には含まれず、乳製品ではないという扱いです。アイスキャンディーやシャーベット以外にも、一見アイスクリームに見えて実は氷菓という分類の商品も意外と多いです。

※乳及び乳製品の成分規格等に関する省令

■牛乳の場合

● 牛乳…飲用や加工目的で加熱殺菌加工された生乳。生乳100%、成分無調整、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上であること。
● 加工乳…生乳を主原料に、乳製品を加えたもの。無脂乳固形分8.0%以上であること。
● 乳飲料…生乳を主原料に、乳製品、乳製品以外の原料を加えたもの。乳固形分3.0%以上であること。

牛乳はさらに低脂肪牛乳や特別牛乳、成分調整牛乳などに分類されます。

ちなみに、一般流通している「特濃」表示があるものは牛乳ではなく、クリームやバターを加えて乳脂肪分を高めた加工乳であることがほとんどです(まれですが、生乳100%の特濃牛乳もあります)。

森永乳業の『PREMiL』のようにカルシウムやタンパク質などが加工された商品は近年人気ですが、実は牛乳でも加工乳でもなく乳飲料にあたります。

■バター、マーガリンなどの場合

● バター…生乳(または牛乳、特別牛乳)から生じた脂肪粒を練りあげたもの。乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下であること。
● マーガリン…植物油脂(乳脂肪を含まないもの、または乳脂肪を主原料としないもの)に、水や乳製品などを加え、練り合わせたもの。油脂含有率80%以上、乳脂肪含有率40%未満であること。
● ファットスプレッド…上記の製法で作られ、油脂含有率が80%未満のもの。

バターには発酵バターや無塩バターなどの種類があります。お菓子のレシピに使われている材料はバターであることが多いでしょう。

マーガリンのなかで油分が少ないものは、ファットスプレッドという表記になります。ファットスプレッドには、チョコやナッツなどを加えた嗜好品もあります。

食品表示の見方をマスターすると買い物に役立つ

食品表示の見方のポイントをご紹介しました。法律でルールが決められている食品表示を見ることで、パッケージのイメージやキャッチコピーに惑わされることなく正確な情報を読み取ることができます。

物価高で食品の価格が高騰し続けているいま、失敗しない食品選びの参考にしてみてください。

文/黒岩ヨシコ

編集/inox.

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