「食品表示」は食品表示法で定められた表記で、日本では加工食品への表記が義務付けられています(※)。
実は食品に関する様々な情報を読み取ることができるため、見方を知っておくと買い物するときに役立てることができます。
そこで今回は、この食品表示の見方をわかりやすくご紹介。食生活アドバイザーの視点から、チェックしておくと良いポイントをまとめたので参考にしてみてください。
※輸入品、または商品を製造・加工した場所で直販する場合は一部省略可
食品表示を見るポイント1 原材料名
原材料名は、アレルギーや食品添加物を気にされる方にとってはとても重要な項目です。
他にも、例えば商品の味の予想をするときにも使えます。原材料名を見れば使われている食材や調味料、その割合などがなんとなくわかるので、食べたことがない商品の購入に迷ったら見てみましょう。
一見チョコレート菓子のようでも原材料にチョコレートは一切使われておらず、ココアパウダーなどで風味付けされているようなケースもよくあります。
【原材料名のチェックポイント】
1. 商品に含まれる「重量」が多い順になっている
原材料名は商品に使われている原材料の中でも重量が多い順に記載する決まりになっています。
2. 「/(スラッシュ)」より後ろに記載されているのは食品添加物とアレルゲン
原材料名の「/(スラッシュ)」より後に表記されているのは、食品添加物とアレルゲンです。食品添加物についてはこの後の見出しで補足しています。
アレルゲンのなかでもえび・かに・くるみ・小麦・そば・卵たまご・乳にゅう・落花生(ピーナッツ)の8つは特定原材料8品目といって、重篤度や発症例が多いことから表示が義務付けられています。
3. 記載を「省略」できてしまうケースもある
商品によっては、含まれている全ての原材料が記載されていないケースもあります。原材料の中でもそれ自体が2種以上の原材料を使って作られているものを「複合原材料」といいますが、複合原材料の原材料については一部省略(※)が認められています。
※アレルゲンと添加物については省略不可
複合原材料の表示ルールはかなりややこしいため、詳細が気になる方は国や都道府県の公的情報を確認することをおすすめします。
参考:加工食品(原材料名)|「食品衛生の窓」東京都保健医療局
【一般的な食品添加物について】
食品添加物は加工や保存、風味付けなどに使用されるもので、食品の品質低下を防いだり見た目や味を良くする目的があります。「無添加の食べ物は安全で身体に良い」というイメージがありますが、そもそも添加物なしでは成り立たない食品もあるので一概にはいえません。
例えば豆腐は豆乳に食品添加物である凝固剤を加えて固めることで作られています。他にも添加物によって腐敗を抑えることで家庭でも安心しておいしく食べられている食品もたくさんあります。
凝固剤(塩化マグネシウム=にがり、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンなど)、膨張剤(炭酸水素ナトリウム=重曹、塩化アンモニウム、硫酸アルミニウムカリウムなど)、甘味料(甘草、ステビア、サッカリン、ソルビトールなど)、保存料、香料などは一般的にもよく使われる食品添加物です。
「食品添加物=キケン」と取りざたされることもありますが、現在一般に流通しているものは厚生労働大臣によって認可されたもので、基本的には健康を害するとされる値よりもずっと低い基準値が定められています。生産者がその決まりを守り、消費者が常識の範囲内で日常的に口にするくらいであれば健康に支障はないとされています。
ただし、この「基準」については世界共通ではありません。
日本では認可されている食品添加物がイギリスなどでは禁止されていることもあれば、使用可能な基準値に差があることもあります。そもそも食品添加物の対象範囲が国によって違うので、単純に食品添加物として認可されている品目数だけで比較することもできません。
そのため、「海外では認可されていない〇〇が入っている!」などと議題に上ることも。許容するか否かは自己判断になるため、気になる方は「海外で禁止されている添加物」などのキーワードで検索して公的情報をチェックしてみてください。