秘密は紅茶に含まれる「テアフラビン」
紅茶の抗インフルエンザ活性能力の秘密は、紅茶に含まれる「テアフラビン」という成分にあります。
■テアフラビンとは?
ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持つ。茶葉を発酵させて紅茶をつくる過程でカテキンから生成される成分。紅茶の赤い色素の正体。
大きな特徴として、テアフラビンは従来型・新型を問わず全てのインフルエンザウイルスの感染力を無効化することができます。インフルエンザウイルスの突起部分に付着する性質により、付着されたウイルスが細胞にとりつくことができくなり、感染能力がなくなるのです。
この特性は、インフルエンザだけでなく風邪など他の感染症対策にも効果があるとされています。
■緑茶との違い
テアフラビンはカテキンを発酵させることで生まれる成分なので、発酵を必要としない緑茶にはそもそもテアフラビンは含まれていません。テアフラビンによる効果を期待するのであれば、うがいには緑茶ではなく紅茶を選びましょう。
ただし、カテキン自体も健康に有用な成分として知られており、ブルーベリーやココアに比べて高い抗酸化作用を持っています。緑茶カテキンにはがん予防や認知症予防、高血圧予防や血糖値上昇の抑制などに効果があるとされているので、紅茶と同じく健康のために日常的に取り入れるメリットは多いでしょう。
紅茶うがいのやり方
1. 熱湯を使って茶葉、またはティーパックで紅茶を淹れる
2. 冷ます、または水で薄める
3. 少量の紅茶液を口に含み、口の中をよくゆすぐ(ぶくぶくうがい)
4. 適量の紅茶液を口に含み、できるだけ喉の奥の方でうがいをする(ガラガラうがい)
5. ガラガラうがいを3~4回繰り返す
※口に含む紅茶はぬるま湯程度まで冷ましたもの、または水で薄めてぬるま湯程度の温度にしたものを使用しましょう。
※熱湯を扱う際はやけどにご注意ください。
紅茶は出がらしでも大丈夫ですが、色が抜けるほど使用した茶葉だと成分が抜けてしまっているためあまり意味がなくなってしまいます。ティーパックなら2杯目をうがいに使うくらいがおすすめ。
砂糖を入れた紅茶やカフェインレス紅茶でもOKなので、お子様やカフェインの摂取を控えている方もぜひ試してみてください。
ちなみに、紅茶うがいはあくまでインフルエンザウイルスの感染力を無力化するために行う感染対策です。ウイルスを所持していない健康な人が紅茶うがいによって予防効果を得られるわけではないので注意しましょう。
紅茶うがいの注意点
1. 作り置きを使うのはNG
2. ミルクは入れない
3. ペットボトルではなく茶葉やティーパックで入れた紅茶を使う
4. インフルエンザの治療効果があるわけではない
1 作り置きした紅茶は細菌が繁殖しやすいため、うがいに使用するのは止めましょう。
2 テアフラビンはミルクの成分と相性が悪く、同時に摂取すると効果が半減してしまうといわれています。
3 ペットボトル飲料などの場合、製造工程でテアフラビンの成分が破棄されてしまったり、成分濃度が変わってしまっている可能性があります。より高い効果を期待するのであれば、できるだけ茶葉やティーパックで淹れた紅茶を使用しましょう。
4 テアフラビンはインフルエンザの感染を抑制する効果が認められていますが、治療ができるものではありません。発症の恐れがある場合は自己完結せず、病院やクリニックなどの専門機関を受診しましょう。