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セカンドホームのサブスクで話題のSANUがサーファーに人気の千葉・一宮に「SANU 2nd Home 一宮1st」をオープン

2023.11.18

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

海のロケーション初となる“海SANU”がサーフィンの聖地・一宮に誕生

自然の中にもう一つの家を持つセカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」は、サブスクに登録することで、都心からアクセスの良い自然立地にあるセカンドホームを自由に選び滞在できるサービス。

初期費用、会員費用不要、月会費5万5000円で月内7泊まで可能。平日は宿泊追加料金なし、土・祝日・祝前日はプラス5500円、清掃費(1回の滞在あたり)3300円という価格で、憧れのセカンドホームが実現できる。

現在、東京から1時間~3時間ほどで行ける距離に13拠点76室を展開、来年末には北海道から鹿児島・奄美まで30拠点、200室に拡大していく予定とのこと。

従来の拠点は八ヶ岳や北軽井沢など山が中心だったが、11月に初の“海SANU”となる「SANU 2nd Home 一宮1st」が、千葉県・一宮にオープンした。

SANU クリエイティブディレクター兼ファウンダー 本間貴裕氏は、SANUにかける想いをこう話す。

「節約してお金を貯めて年に1回旅行に出るなど、自然の中に行くことが贅沢で、限られた時間になっています。けれど、里山という言葉があったように、生活と自然は離れているものではなく、本来はもっと気軽に通えるものだったと思うんです。だから僕らはもう1つの家を作って、多くの人に体験を提供することで、自然の中での生活を営んでほしいと思っています。

自分の好きな自然に繰り返し通う。特別なことをしなくてもいいんです。ごはんを食べて、時には仕事もして、海に散歩したり、山を登ってみたりする。そんなことを日常生活の中でやってほしいのが、私たちのSANU 2nd Homeです。

雪山が好きな人、南の島が好きな人、季節に応じていろいろな自然を楽しみたいという人もいます。多様なニーズに合わせて日本の自然、四季を楽しみ尽くせる“North to South”をコンセプトに、日本中に拡大していく未来を描いています。海側のSANUは一宮が1拠点目で、さらに今後海側のSANUがオープンしていく予定です。

SANUを作る原点となったのが一宮でした。3年ほど前、コロナ禍に突入した時期で、僕は一宮に滞在し、SANU代表の福島弦とリモートで仕事をしていました。

以前は都内のアパートからサーフィンのために通っていましたが、土曜日の朝早起きして2時間かけて一宮に来て、サーフィンしてクタクタになってまた帰るというのが、とてもしんどかったんです。

一宮に住んでいれば、朝と夕方の1時間サーフィンをやって、昼間に仕事をして、アクティビティや夕日を楽しむっていう生活ができることに気づいた。こういう生活を僕らの仕事をしたいとSANU 2nd Homeの構想が生まれました。一宮は僕らにとって大事なインスピレーションの地でもあります」

〇SANU APARTMENT

壁が隣室と接している通常の集合住宅と異なり、45度の角度で並んだ左右シンメトリーの建物は隣家の音が聞こえにくく、デザインに的にも特徴を持たせている。

「海に向かい両手をひろげたようにシンメトリーに配置された建築は、その中心に日の出を迎える何もない『空』を作り出します。

下記の写真は東に抜けるように撮っていますが、奥にすぐ海があり、春分と秋分の日には早朝の太陽がちょうどこの建物の真ん中から上がってくるような構成になっています。

庭から左右に45度の角度で配されたメゾネットタイプの宿泊部屋は、隣接する部屋と50%の壁を共有することにより、退屈な建築のファサードを“でこぼこ”のある豊かなものに変えるだけでなく、隣人同士の物理的距離を生み出しています」(建築デザインパートナーPuddle 加藤匡毅氏)

今までのSANUのセカンドホームは森林に接したロケーションが多かったため、窓の外の自然を借景として楽しむことができたが、一宮は民家やコンビニエンスストアと隣接していることから、海の自然を感じる空・光・風を意識し、窓の配置と光の入り方に特徴を持たせた建築となっている。

「空間の中心にキッチンとダイニングを配置していて、2階は寝室と小さな書斎を設けています。今までのSANUとは違ってワンルームですが、空間を上下で分けることによって1階でのアクティビティと、メゾネットのベッドスペースを分けながらも、ひとつの空間として空気が共有しているというのが特徴です」(加藤氏)

キッチンには調味料やカトラリー、電化製品も装備されており、セカンドホームとしていつもの生活ができる仕様に。ベッドはダブル1台、シングル2台で、家族や友人同士での宿泊にも対応する。

「バスルームの壁が曲線になっていて、ここはFRPというサーフボードに使われる素材を利用していて、半透明になっています。海でアクティビティをしたり、愛犬と散歩したり、海辺から帰ってきたときに砂がついていることもあるので、とりあえずすぐに使うバスルームは光の入り方がとてもよく、昼間に自然光でシャワー浴びると気持ちいいだろうなって思います」(本間氏)

植栽設計を担当したのは、山梨にある「Yard Work」の天野慶氏。造園だけでなく外構(エクステリア)も含めたランドスケープデザイン全般を手掛けた。

「庭作りは、植栽はもちろんですが、それ以上に動線や建築との融合といった植栽以外の設計もとても重要で、それを踏まえ植栽をバランスよくデザインするのが大事だと考えています。

今回の建物のような形は今まで見たことがなかったので、建物をより美しく見せることを考えることからスタート。基本、その土地に植生しているものを主体に植栽した上で、色をつけていく形で庭を造っていきます。今回も一宮に多い松の木や、海沿いに行くと無造作に生えているアツバキミガヨランを使っています」(天野氏)

〇ベーカリーカフェ「Overview Coffee Ichinomiya」

SANU 2nd Homeの新業態として、SANUメンバー以外の地元や一般の人も利用できる商業棟を併設。

1階にある「Overview Coffee Ichinomiya」は、サーフィン好きのチームが作り上げる、こだわりのコーヒー、ワイン、麹パンやサンドウィッチが豊富に並ぶカフェ&ベーカリー。

「Overview Coffee」はスノーボーダーのAlex Yoderが立ち上げたポートランド発祥のブランド。土壌の健康面を考えたリジェネラティブ・オーガニック農法を支援することで、環境と生態系に配慮したコーヒーロースターで、自然の酵母や麹などの菌を用いて作られるパンや調味料、雑貨などの独自のセレクトにファンも多い「コンビニエンスストア 髙橋」による初めての共同店舗となる。

〇コワーキングスペース「Soil work Ichinomiya」

2階にあるのが、Stapleが運営する会員制コワーキングスペース「Soil work Ichinomiya」。海から着想を得た色使いが特徴のオールフリーアドレス制のワークスペースで、6名用の会議スペースや1人用シートなど用途に併せて自由に利用できる。SANUメンバーは無料で利用可能。24時間営業。

【AJの読み】“行く”のではなく“帰る”感覚で自然を楽しむ

九十九里浜の南端に位置する千葉県一宮町はサーフィンのメッカとして知られ、2020年の東京五輪では釣ヶ崎海岸がサーフィン競技の会場となった。

都心から車で90分というアクセスの良さから、別荘地、通勤圏居住地として注目が高く、マリンレジャーで多くの観光客も訪れる一宮は、週末を過ごす貸別荘やセカンドハウスが増加している。

地元のタクシー運転手さんに聞くと海に近いエリアは五輪以降、貸別荘が増えているとのこと。筆者は2年前に一宮1stの近くにある分譲住宅や賃貸住宅を擁する施設を取材したが、当時に比べ飲食店や店舗が増えている印象で、週末はさらに賑わうのではないかと感じた。

SANU創業者の本間氏は、2010年にゲストハウス・ホステルを運営するバックパッカーズジャパンを創業し、古民家を改装したゲストハウス「toco.」を入谷にオープン。その後、蔵前「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」、京都「Len」、日本橋「CITAN」「K5」を手掛けてきた。

2019年に福島弦氏と共にSANUを創業したが、サーフィンとスノーボードがライフワークの本間氏にとって海SANU・一宮は待望のオープンとなった。

SANUはセカンドハウスをサブスクサービスにすることで「自然に“行く”のではなく“帰る”感覚に」(本間氏)して、だれもが自然の中で生活を楽しめることを目指している。

SANUは全国に拠点を拡大中で、コロナ禍以降新しい旅の形として増えつつある、滞在型やウェルネスツーリズムに応える施設としても機能するのではないだろうか。

文/阿部純子

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