簡単に作れる電気式ホットサンドメーカーが数多く発売されている。食パンを2枚使うものが主流だが、「1枚でも作れるのでは?」という〝コロンブスの卵〟的発想がヒットを呼んだ。
累計15万台以上販売
Toffy『ハーフホットサンドメーカー』
各5500円
サイズ:約W167×H96×D220mm、750g 電源コード長:約0.7m
定格消費電力:AC100V 50-60Hz
食べ切りサイズのハーフホットサンドが作れる電気式ホットサンドメーカー。コンパクトなうえ、立てて置けるのでスッキリ収納できるので便利だ。写真の3色のほか、限定色も用意する。
ラドンナ
商品企画開発部
佐藤賢亮さん
小さな子供がいる家庭だから疑問を抱き、開発のきっかけに。当初、企画の反応は芳しくなかったが、諦めずに提案し続けた。
「きっかけは『食パンを2枚使う必要があるのか?』という疑問」
食パンを2枚使って作るのがフツーだった電気式ホットサンドメーカー。その当たり前に疑問を呈したのが開発のきっかけだった。
「2枚だと子供には多すぎるんです。栄養バランスを考えて具を挟むとさらにボリュームが増すので、半分に切るのですが、中の具が出てきてしまいお皿が汚れてしまうことも。こうしたストレスから『そもそも食パンを2枚使う必要があるの?』と思うようになりました」
そこで食パン1枚でできるモデルがないか調べたところ見当たらない。行ける! と考え、この『ハーフホットサンドメーカー』の企画を出したという。
「ですが、企画が通らなかったんです。理由は2つ。これまでにない商品だからニーズが把握できないこと。もうひとつは、製造コストが食パンを2枚使うものとほぼ変わらないことでした」
納得させるには製造コストの低減が必須。「製造手順の見直し」「デザインや構造の簡素化」などを重ねてコストを下げたが、それでも社内の反応はイマイチ。
「口頭や企画書で説明しても響かなかったので、3Dプリンターでサンプルを作って、具体的なイメージを提案してみたんです。すると、『いいんじゃない』という反応が返ってくるように。需要予測は立ちませんでしたが、商品化への熱意のみで理解を得た感じですね」
発売に至るまで困難が多かったが、発表すると発売前に完売! という異例な売れ方をした。そこで現状機だけではもったいないと考え、新モデルも提案することに。
「調理時に具材が漏れても、家電なので水洗いはできない。そこに疑問を抱き、水洗いができるプレート交換式を開発しました」
常識にとらわれないコロンブスの卵的発想がヒットを生むのだ。
プレート交換式も発売!
Toffy『ハーフホットサンドメーカー〈プレート交換式〉』
各9900円
人気を経てシリーズ展開に
水洗いできる取り外し可能なプレートを搭載したモデル。ハーフホットサンドプレートとワッフルプレートが付属。マルチプレートとたい焼きプレート(各2750円)は別売り。
取材してわかったヒットの要因
1:新たな選択肢の提供
食パン1枚で作れるホットサンドメーカーをいち早く投入。2枚だと量が多いと思う人でも選びやすいよう選択肢を提供することで、ホットサンド好きの裾野を広げた。
2:潜在需要を掘り起こした
プロダクトアウト型の商品なので市場性が不明だったが、発売前に家電量販店などから受けた事前注文だけで完売が確定。潜在需要を掘り起こした。
3:成果物と商品のリンク
サイズとデザインをほぼ変えずプレート交換式を開発。ハーフホットサンド=Toffyというイメージの定着に少なからず貢献している。
取材・文/編集部
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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