奨学金の知識〜給付奨学金が多数あることを知らない
奨学金の知識として、奨学金の種類は現在約1万6000件以上あり、借りるだけではなくもらえる奨学金も多数あることを認識しているのは全体の約3割だった。
多くの学生・保護者が、「給付奨学金自体は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」(32.8%)、「自分や自分の子供は対象にならないと思っていた」(21.4%)と回答。
また、給付奨学金が多数あることを知らず、「奨学金は借りるものだと思っていた」との回答は全体で16.5%。奨学金を受給していない学生では、84.6%が同回答をしている。
給付奨学金を理解して活用できているのは一部の層であり、多くの学生やその保護者にとって奨学金の理解が不足していることもわかった。また、これらも奨学金受給・活用に対するハードルになっている可能性も明らかになったと言えるだろう。
奨学金の情報源〜主に学校や教師・職員から提供
奨学金を申請または検討したきっかけとして最も多く挙げられたのは1位「先生・学校からの紹介」(40.6%)、2位「学校開催の説明会」(32.7%)、3位「学校で配布・掲示された資料」(28.3%)となった。
奨学金の情報を得るほとんどが学校や教師・職員から提供された機会であり、アナログな情報源であることがわかる。
SNSや情報サイトなどインターネットからの情報源は約1割にとどまり、奨学金情報・申請のデジタル化の遅れや、奨学金に対するネガティブな印象から、インターネットで自分から情報を得ようとする学生・保護者が少ない現状が推察できる。
■ガクシーユーザーとの比較
今回の調査で、給付奨学金を受給した学生・保護者の中で「SNSや情報サイトなどインターネットからの情報」を活用したのは9.9%であったのに対し、ガクシーユーザーは37.8%だった。
ガクシーユーザーにおける「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」受給状況は29.6%と、一般の学生・保護者の6.5%に比べて約5倍高い結果となっている。
また、給付奨学金に対する理解としては、ガクシーユーザーは一般の学生・保護者に比べて貸与奨学金の他に給付奨学金が多数あることを理解しており、「奨学金は借りるものだと思っていた」という誤った認識を持つ層は、一般では16.5%に対しガクシーユーザーでは2.2%と少ない結果になった。
調査概要
<一般調査>
時期/2023年8月29日~9月5日
方法/インターネット調査
対象/全国、18〜69歳、男女1,100名(学生500名、学生の子を持つ保護者500名)
<ガクシー会員調査>
時期/2023年9月1日~9月30日
方法/インターネット調査
対象/全国、18〜69歳、男女503名(学生162名、学生の子を持つ保護者341名
関連情報
https://gaxi.jp
構成/清水眞希