MediaTekは、フラッグシップチップセット「Dimensity 9300」を発表した。また、同チップセットを搭載した最初のスマートフォンは、2023年末までに市場に投入される予定だ。
Corte-X4コア4基とCortex-A720コア4基を搭載
「Dimensity 9300」は、“MediaTek史上最も強力なフラッグシップチップ”を謳う、ハイエンドスマートフォン向けのチップセット。TSMCの第3世代4nmプロセスで製造され、最大3.25GHzのArm Corte-X4コア4基と、最大2.0GHzでのCortex-A720コア4基を搭載する。
また、次世代AIプロセッサのAPU 790 がDimensity 9300に統合され、整数および浮動小数点演算の性能を倍増し、消費電力を45%削減するうえ、演算子を高速化するためにTransformerモデルを採用したことで、処理速度は前世代に比べて8倍高速化され、画像生成はStable Diffusionを活用することで1秒以内に完了するという。
さらに、Meta Llama 2、Baichuan 2、Baidu AI LLMなど、最先端の主要な大規模言語モデルにも対応する。
このほか、GPUには、Armの最新のフラッグシップGPUであるArm Immortalis-G720を採用し、「Dimensity 9200」と同レベルの消費電力でありながら、GPUの性能は約46%向上。
ディスプレイに関しては、180Hz駆動のWQHD解像度と最大120Hz駆動の4K解像度の表示が可能。折りたためるフォームファクタのデュアル・アクティブ・ディスプレイにも対応する。
ネットワークは、最大6.5GbpsのWi-Fi 7をサポートし、マルチリンク・ホットスポット技術により、デザリング速度も競合ソリューションと比較して、最大で3倍向上しているとのことだ。
構成/立原尚子