10秒で勝負が決まる相撲を映像作品に落とし込む難しさ
そもそも「相撲コーディネーター」という言葉は、網谷さん自身が発案した肩書き。映画でアクションをつける人が「アクションコーディネーター」と呼ばれていることに倣い、名乗り始めたという。
――相撲の演出で苦労する点は?
「最も難しいのは、勝負シーンをリアルに見せなくてはいけないところです。現実の相撲はほぼ10秒以下で勝負が決まりますが、映像作品でそれだとあまりにも短い。ただ、不自然な動きもできないので、監督の意向、キャストの性格も加味しながら緻密に練り上げていきます。
ダイナミックな相撲でありながらも演出を加え、不自然でない再現性のある安全な相撲を一番一番考案していきます。これが本当に骨の折れる作業。というのも一度使った演出はもう使えなくなるので、私の20年以上の相撲経験を全て総動員して演出しています」
ちなみに、Disney Plus「シコふんじゃった!」は学生相撲と女子相撲が題材だったため、女子相撲ならではのフレッシュな相撲演出を心掛けたという。
かつてない肩書きで、独自の道を突き進む網谷さん。仕事をする上で大切にしていること、仕事で上手くいくためのヒントとは?
「あまり偉そうな事は言えないのですが、とにかく“好きな事・得意な事”をするようにはしています。私の場合は「相撲」ですが、好きなことじゃないと長続きしないしストレスを感じて嫌になってしまうので。
また、相撲コーディネーター以外にもYouTubeをやったり、海外観光客向けに相撲体験教室もやったりしていますが、どれも相撲に関することばかり。ですが、自分がやっている事に対して『楽しめているか』という視点は大事かなと思います。好きな事をやっていた方がパフォーマンスも上がるし、毎日楽しい。 実際に相撲コーディネーターとして作品に参加している時は本当に毎日楽しかったです」
――これから挑戦したいこと、野望を教えてください
「これまで本当に様々な事に挑戦してきましたが、今年は新たな挑戦として「バックラブ合同会社」を知人と立ち上げました。相撲にちなんだ「SNSの横綱」という名で法人のSNSコンサルサービスをメイン事業としてやっています。ただのコンサルではなく、ビッグデータを活用した分析が強みで既に複数のクライアント様とお仕事をさせて頂いています」
「もちろんそれ以外の相撲コーディネーター業やYouTuber業も同時並行して行っています。今後の野望は……自分の好きな事を好きなだけできる人生!それが理想ですね」
網谷勇志さん X (旧Twitter)
あみたの相撲ちゃんねる Amita Sumo
AMITA SUMO DOJO
法人向けSNSコンサル「SNSの横綱」
文/太田ポーシャ