日本人選手初のホームラン王獲得、WBC優勝、MVP受賞など先入観を覆し、不可能を可能にする大谷翔平選手の活躍はいつも我々に勇気を希望を与えてくれます。
私たちは、大谷選手が突然凄い才能を獲得したような錯覚を持ちます。しかし、事実はそうではありません。大谷選手はプロセスを徹底的に追求することの大切さを誰よりも理解しています。
「大きな夢は小さな目標の総量である」、つまり「結果」ではなく「プロセス」に意識を置いているのです。「小さな目標の実現」に果敢に取り組む。その小さな習慣こそが偉大な成果を上げる必須の要素ということだと思います。
昨日より今日、今日より明日。自分史上最高の自分にめぐり逢うための「ポジティブ思考」の神髄に迫る話題の書籍『「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法』。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、自分を成長させる大谷選手の思考法を解説していきます。
【大谷翔平選手のような一握りの超一流の人たちの共通点】変化をおそれず思いついたらすぐに行動する
2019年6月13日、この日大谷選手は、本拠地レイズ戦で自身初、メジャーでは日本人初となるサイクル安打を達成します。3番・DHで先発出場し、初回の第1打席では、左中間への弾丸ライナーでいきなりの先制8号3ラン。
第2打席で左中間を破る二塁打を放ちます。第3打席では、右翼線にはじき返し、快足を飛ばして悠々と三塁まで到達、サイクル安打に王手をかけました。そして、第4打席で見事に中前打を放ち、サイクル安打を達成したのです。試合後、大谷選手はこう語っています。
「一番は本塁打を打てるパワーと三塁打が一番難しいかなと思うので、長打を三塁打にできる走力が重要かなと思います。(サイクル安打は)珍しいと思いますね。やっぱり複数の二塁打があってもダメですし、複数の本塁打があってもダメなので。運も必要だと思うので、そういったツキもあったかなと思います」(パ・リーグ・com 2019 年6月14日付)
大谷選手の魅力は、パワーだけでなくスピードも兼ね備えたプレーです。彼は、本塁打を量産できる身体能力を持ちながら、それに甘んずることなくプレーの質を高めています。本来人間は、現状維持を好み、変化を嫌います。なぜなら、変化を起こすためにはエネルギーが必要だからです。一方、大谷選手のような一握りの一流の人たちは、「現状維持を極端に嫌う」のです。
大谷選手は思いついたらすぐに行動を起こします。私は、大谷選手のような一流人をオーバー・アチーバー(達成意欲の強い人たち)と呼んでいます。彼らは自分が定めたミッションを追い求める意欲が異常なほど強いのです。このことについて、大谷選手はこんなことを語っています。
「自分で『これをやりたいな』と思ったときには、他人よりも頑張れる自信はあります」(『道わたる、海ひらく 大谷翔平の素顔)』扶桑社)
彼らにとっては、結果によって行動が左右されることはありません。なぜなら、彼らの脳裏には、鮮明に「定めた目標を達成するまで決して行動を止めない」というミッションが存在するからです。だから、うまくいかなくても、モチベーションを落すことなく行動を持続できるのです。
心と身体は完全につながっています。触発するのはどちらのほうでしょうか?多くの人々が、思考がリードして、身体を動かすと考えています。しかし、思考を張り巡らすだけでは、「本気」にはなり得ません。
行動を起こすことにより、初めて私たちは「本気」になれるのです。初めはそれほどの気持ちがなくても、行動を起こすことにより目の前の景色が変わり、その行動が本気を生み出してくれるのです。
いくら目の前の作業に時間をかけても、本気でなければ成果は上がりません。目の前の作業に本気で取り組めれば、驚くほど短時間でその作業を完了させることができるのです。そのことについて、大谷選手はこう語っています。
「うまくいかない時期は必ずあります。(投手として)抑えられない、(打者として)打てないことは辛いし、悔しいです。でも、長いシーズンで毎年必ずそういう時期は来るものなので、そこに備えることが大事だと考えています」 (三菱UFJ フィナンシャル・グループホームページ)
大谷選手の本気がファンの人たちに伝わって、その一挙手一投足に感動するのです。野球だけに留まらず、どんな分野においても本気がその人間に気迫を与え、最終的に凄い成果を生み出すのです。
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いかがでしょうか?
大谷選手を超一流のアスリートへ飛躍させた思考法にはビジネスパーソンも学ぶことも多いと思います。ぜひ日々の小さな目標の実現を目指して一歩一歩、「できない」を「できる」に変える努力をしてもらえればと思います。
さらに詳しい解説は児玉光雄さんの著書、『「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法』をチェックしてみてください。
「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法
著/児玉光雄/アスコム
児玉光雄
1947年兵庫県生まれ。追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問、元鹿屋体育大学教授。京都大学工学部卒。大学時代はテニスプレーヤーとして活躍し、全日本選手権にも出場。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)大学院で工学修士号を取得。米国五輪委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として、米国五輪選手のデータ分析に従事。過去30年以上にわたり、臨床スポーツ心理学者として、ゴルフ、テニスを中心に数多くのアスリートのメンタルカウンセラーを務める。また、右脳活性プログラムのカリスマ・トレーナーとして、これまで数多くの受験雑誌や大手学習術に右脳活性トレーニングを提供。この分野の関連書は100冊以上、累計発行部数は150万部を越える。主な著書はベストセラーになった『この一言が人生を変えるイチロー思考』(知的生きかた文庫)をはじめ、『大谷翔平 勇気をくれるメッセージ80』(三笠書房)、『能力開発の専門家が作ったそうぞう力とさんすう力がみるみる育つこども脳トレドリル』『頭がよくなる!「両利き」のすすめ』(いずれもアスコム)など200冊以上。日本スポーツ心理学会会員、日本ゴルフ学会会員。
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