日本人選手初のホームラン王獲得、WBC優勝、MVP受賞など先入観を覆し、不可能を可能にする大谷翔平選手の活躍はいつも我々に勇気を希望を与えてくれます。
私たちは、大谷選手が突然凄い才能を獲得したような錯覚を持ちます。しかし、事実はそうではありません。大谷選手はプロセスを徹底的に追求することの大切さを誰よりも理解しています。
「大きな夢は小さな目標の総量である」、つまり「結果」ではなく「プロセス」に意識を置いているのです。「小さな目標の実現」に果敢に取り組む。その小さな習慣こそが偉大な成果を上げる必須の要素ということだと思います。
昨日より今日、今日より明日。自分史上最高の自分にめぐり逢うための「ポジティブ思考」の神髄に迫る話題の書籍『「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法』。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、自分を成長させる大谷選手の思考法を解説していきます。
【大谷翔平選手のような一握りの超一流の人たちの共通点】プロセスを徹底的に追求することの大切さを理解する
2022年シーズンは、大谷選手にとって最高のシーズンとなったことは間違いないでしょう。メジャーリーグ・アナリストの福島良一さんが、このシーズンの大谷選手の偉業をランキングにしています(下図)。
もちろん、ピッチャーとして15勝、バッターとして34ホームランというベーブ・ルース以来のメジャー史上2人目となる両部門2桁達成も素晴らしい記録ですが、なによりも凄かったのはメジャー史上初めて規定投球回数と規定打席に到達したことでしょう。いわゆる「エースで4番」をメジャーで初めて実現した野球選手になったのです。
しかし、成績以上に素晴らしいのは、大谷選手はどのメジャーリーガーと比べても、プレーすることそのものに快感を得られる選手だという部分です。
「結果よりもプロセスのほうが大事である」。常々、私が主張するのはそういうことなのです。
アメリカの著名な哲学者、ジョシュア・ハルバースタム博士の以下の言葉が私は大好きです。
「(仕事の)目標は、自分が向上することだ。誰かに勝つことではない」
大谷選手の素晴らしさは、結果ではなく、プロセスに意識を置いていることです。これこそ大谷選手を超一流のアスリートへ飛躍させた思考法なのです。このことについて2021年シーズン後にシーズンを振り返って、大谷選手はこんなことを語っています。
「(33本のホームランを打った)シーズン前半と(13本のホームランを打った)後半とでは、ホームランの内容がずいぶん違ったと思います。後半のほうが数字は残らなかったのですけど、バッティングとしては洗練されてきているところがあったので……。やっぱり後半は厳しいところを突いてこられた中でのホームランでしたからね。そこを見極めながら甘く入ってきたボールをしっかりホームランにできていた」(『週刊ベースボール2022・12・26号』ベースボール・マガジン社)
並の選手なら、単純に数字だけを比較して、前半のほうがはるかに調子がよかったと短絡的に考えてしまいます。しかし、大谷選手は、そのプロセスを深く突き詰める思考法が身についているのです。
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いかがでしょうか?
大谷選手を超一流のアスリートへ飛躍させた思考法にはビジネスパーソンも学ぶことも多いと思います。ぜひ日々の小さな目標の実現を目指して一歩一歩、「できない」を「できる」に変える努力をしてもらえればと思います。
さらに詳しい解説は児玉光雄さんの著書、『「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法』をチェックしてみてください。
「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法
著/児玉光雄/アスコム
児玉光雄
1947年兵庫県生まれ。追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問、元鹿屋体育大学教授。京都大学工学部卒。大学時代はテニスプレーヤーとして活躍し、全日本選手権にも出場。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)大学院で工学修士号を取得。米国五輪委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として、米国五輪選手のデータ分析に従事。過去30年以上にわたり、臨床スポーツ心理学者として、ゴルフ、テニスを中心に数多くのアスリートのメンタルカウンセラーを務める。また、右脳活性プログラムのカリスマ・トレーナーとして、これまで数多くの受験雑誌や大手学習術に右脳活性トレーニングを提供。この分野の関連書は100冊以上、累計発行部数は150万部を越える。主な著書はベストセラーになった『この一言が人生を変えるイチロー思考』(知的生きかた文庫)をはじめ、『大谷翔平 勇気をくれるメッセージ80』(三笠書房)、『能力開発の専門家が作ったそうぞう力とさんすう力がみるみる育つこども脳トレドリル』『頭がよくなる!「両利き」のすすめ』(いずれもアスコム)など200冊以上。日本スポーツ心理学会会員、日本ゴルフ学会会員。
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