静岡県でシングルモルトウイスキーを製造販売するガイアフロー静岡蒸溜所は、静岡産大麦を100%使用したウイスキー「ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」を、2023年11月下旬より数量限定で発売を開始する。希望小売価格は2万2011円(税込)
初の地元産大麦100%ウイスキー
静岡蒸溜所では2016年の創業当初より、大麦の原産国ごとに分けた仕込みを行なっており、同時に「地元静岡で収穫した大麦100%のウイスキーづくりをしたい」という願いがあったという。
そこで、これまで大麦栽培の経験がなかった地元農家や組合と協働して、当時誰も行なっていなかった試みに挑戦にするに至った。
静岡産大麦
2016年、蒸溜所近隣の玉川地区桂山および富士宮で試験的に栽培・収穫した大麦を使用したことを起点に、2019年から隣接する焼津市の農家3軒とJA大井川、静岡県と協働して、本格的に栽培を開始。
年々作付面積とともに収穫量も増大。現在では、静岡蒸溜所の全生産量の約1割超を静岡県内産でまかなえるほどになった。
今回のリリースは、この2016年に収穫した大麦を100%使用した原酒のシングルカスク(ひと樽のみでブレンドしていない)ウイスキーとなる。
この時の収穫量は非常に少なく、2018年の仕込み1回分の量(大麦麦芽約1トン)のみ。5年の熟成を経て、ついに初めての静岡県産大麦100%のウイスキーが誕生する。
地元の薪を熱源にした蒸留機「W」で蒸留
蒸留機
静岡蒸溜所の特徴である、世界的にも希少な薪直火を熱源とした蒸留機は、Woodfired(薪の炎)を意味する「W」と呼ばれている。
燃料となる薪は、近隣の山の間伐材。玉川きこり社との協働により、森林管理から生じたスギなどの木材を手作業で薪にしている。
地元の森林の健全な成長を促す活動の一端を担いながら、世界でたったひとつの蒸留機が、静岡のテロワールを体現する原酒を生み出しているのだ。
現在の蒸留方法の主流であるスチーム間接加熱ではおよそ150℃程度のところ、この薪直火では800℃という高温に達する。「これによってコクと力強さ、心地よい香ばしさを持つ、唯一無二の静岡ウイスキーが造られています」と同社では説明している。