宇都宮ライトレールの魅力をインタビュー
宇都宮ライトレールの魅力について、軌道事業者である宇都宮ライトレール株式会社の方にお話を伺ってみた。
一般的な路面電車との違いや、交通手段としての魅力はどんなところですか?
LRT車両HU300形「ライトライン」は、超低床車両を導入した誰もが乗り降りしやすい乗り物です。
車内やホームに段差がなく、車イスやベビーカーであってもスムーズに、歩道から横断歩道・スロープ・ホームを経由しそのまま車内に入っていただくことができます。
TC(トランジットセンター=乗り継ぎ施設)となっている停留場では、マイカー、自転車、路線バス、タクシー、地域内交通(デマンド交通ほか)など、LRT以外の交通モードと乗り継ぎがシームレスに行えます。自宅から駐車場・駐輪場併設の停留場までは自家用車や自転車で来て、そこから中心部へはLRTに乗るという生活スタイルは、実際に沿線で多く見られます。
また、LRT軌道内は原則クルマの走行ができないため、電車が交通渋滞に巻き込まれることがありません。環境にもやさしく、地域由来の100%再生電力(家庭ゴミを燃やした時に発生するエネルギーなど)で走行する “ゼロカーボントランスポート” です。
行政の施策である、乗継割引や上限運賃制度、バスネットワークの再編と連携し、さらに使いやすい公共交通体系を確立しています。
車内の設備や独自のサービスについて教えてください。
車内の各扉横には交通系ICカードリーダーが設置されており、全扉でのセルフ乗降方式(信用乗車方式)を導入しています。
これにより、定時性・速達性・効率性を高めています。Suica・PASMOなど全国相互利用ICカードのほか、地域連携ICカード『totra※』の導入も利用促進に寄与しています。
※totra(トトラ):全国初の地域連携ICカード。地域内割引制度(一定条件あり)などがある。totra公式サイト
宇都宮ライトレールの沿線や周辺で、秋~冬にかけておすすめの観光スポットはありますか?
鬼怒川橋梁(平石中央小学校前ー飛山城跡 間)は晴れていると日光や那須の山々が見え、空気が澄んでいると富士山まで望むことができます。飛山城跡下車徒歩15分ほどのところにある『飛山城史跡公園』は、鎌倉時代の芳賀氏の古城跡で、とびやま体験館などの施設もありウォーキングに最適です。
芳賀町の『道の駅はが』や『芳賀温泉ろまんの湯』は、芳賀町工業団地管理センター前より路線バスに乗り継いで10分のアクセスです。旬を迎える町の名産・梨や、これから旬のイチゴが有名です。道の駅併設の温泉は全国でも珍しいことに加え、ろまんの湯はレトロな雰囲気でファンが多い施設です。
※参考:芳賀町観光サイト
また、土日祝日はバスの本数が日中1本と大変少ないですが、小山(JR宇都宮線)⇒宇都宮⇒(LRT)⇒芳賀町工業団地管理センター前⇒(JRバス関東)⇒市塙駅⇒(真岡鐵道)⇒下館⇒(JR水戸線)⇒小山と、公共交通だけで一周するようなファンの方もいらっしゃいます。