今夏開通!国内初の全線新設LRT「宇都宮ライトレール」
宇都宮ライトレールは、2023年8月26日に宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間を走るLRTとして誕生した。国内の路面電車としては75年ぶりの開業だ。
日本のLRTといえば第一号の「富山ライトレール」が有名だが、もともと路面電車がない街に全線新設されたのは全国でも初の事例。着想から30年、幾度かの計画延期を経た待望の開通とあって、大きなニュースになった。 写真提供 宇都宮ライトレール(株)
鮮やかな黄色と黒の配色が印象的な車両は「ライトライン」という愛称で呼ばれ、定員160名の3両編成、50席を構える。
最高速度は時速40kmで、ピーク時間帯は現在、1時間あたり5~8分程度の間隔で運行。今後快速を導入した際の宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間の所要時間は約38分を見込んでいる。
宇都宮市ではLRTを軸にした「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を掲げ、車の運転ができない人でも移動しやすい環境作りに取り組んでいるという。バスや鉄道と協力して路線の再編や連携を行い、これまで公共交通でカバーできていなかった郊外の空白地域を埋めることで地域の交通インフラ強化に繋げる狙いだ。以前より問題視されていた交通渋滞の緩和も期待されている。
LRTの開通は外からの人の流れにも影響するだろう。例えば宇都宮の餃子店巡りに訪れた観光客の回遊性の向上や、ライトレール自体を観光目的とした集客が可能になる。コンパクトシティならではの “まちづくり” への様々な効果が見込まれているのだ。