米国企業深掘りシリーズ「米国3大クルーズ株」
皆さんはクルーズ船と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
実はカリブ海を中心に航海する米国のクルーズ船の業績がコロナ禍から劇的に回復しています。
特にマイアミを拠点にする米国3大クルーズ会社は、業界最大手の3社でもあり、投資対象としても魅力を感じる方が多いのではないでしょうか。そこで今回の米国企業深掘りシリーズは、クルーズ株の魅力や関連企業の状況、今後の展望について徹底解説していきます。
現代クルーズの父 テッド・アリソン氏
現代クルーズの父と呼ばれるテッド・アリソン氏(以下,テッド)は、1924年にイスラエル建国前のテルアビブで生まれました。ベイルートにあるアメリカン大学在学中に第二次世界大戦が始まり、英国陸軍のユダヤ人旅団に加わり、1948年のイスラエル独立戦争にも参加しています。
米国へ移住したのは1954年のことで、航空貨物のベンチャー企業を創業し成功させます。
その後、クヌート・クロスター氏と出会い、1966年にノルウェージャン・カリビアン・ラインの設立につながるベンチャー企業を立ち上げて軌道に乗せますが、2人はお金の配分で衝突し、その後、テッドが独立する形で1972年にカーニバル・クルーズを設立しました。
なぜテッドが現代クルーズの父と呼ばれているのかというと、それまでの旅客船は「遠洋定期船」こそあったものの、旅客機の登場とともに船旅が時代遅れになりつつあったことが挙げられます。こうした背景があるなかで、テッドが画期的であったのは、カリブ海の特定のエリアを回遊するクルーズツアーをパッケージ化したことにあります。
こうした豪華客船でカリブ海を楽しむ現代のクルーズ観光が盛んになり、大きな産業へと成長していったのです。