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データ転送、有線LAN接続、映像出力、USB Type-Cに対応した「iPhone 15」シリーズの便利な活用法

2023.11.26

『iPhone 15』シリーズの端子は、従来から採用されてきたLightningではなくUSB Type-Cへと変更された。今やノートPCやAndroidが採用するのは後者が主流。ケーブルや外付けストレージをはじめとするType-Cの対応機器が豊富に揃っている。それらを『iPhone 15』シリーズでどこまで使えるのか。ラインアップの中でどんな違いがあるのか。それらの疑問について編集部で検証。ガジェットに対する造詣が深い戸田覚さんのコメントを交えながら解説しよう。

USB 3とUSB 2のデータ転送速度の差は理論値で約20倍!一方でその他に違いはありません!!

『iPhone 15』シリーズがUSB Type-Cに対応した利点について、戸田さんは次のように話す。

AndroidスマホやPCの給電などに採用されているUSB Type-C対応ケーブルをそのまま利用できる可能性が高く、Lightning対応ケーブルを持ち歩かなくてすむようになります。そのことは大変好ましく、朗報でしかありません。ただし、USB Type-C対応ケーブルの中には、製造元が不明の粗悪なものもあります。信頼のおけるメーカーの製品を選ぶようにしましょう」(戸田さん)

 特に、USB 3とUSB 2で速度が異なるデータ転送を利用する際は、ケーブル選びに注意が必要だと戸田さんは話を続ける。

最大10GbpsというUSB 3の転送速度は、対応ケーブルを使うことが前提です。非対応のケーブルだと満足のいく速度が出ず、そもそもデータが転送できない可能性もあります。今後、周辺機器メーカーが発売する認証品を選ぶのが無難でしょう。ちなみにUSB 3とUSB 2のデータ転送速度を比べた時、その差を実感するのは、動画のような容量の大きいファイルを転送する時だけ。そうでなければUSB 2でも問題ありません」(戸田さん)

戸田 覚さんガジェット評論家
戸田 覚さん
約30年にわたり、ノートPCをはじめとする最新デジタル機器を〝辛口レビュー〟。最近では雑誌やWebメディアへの寄稿だけでなく、自身のYouTubeチャンネルにて検証動画を公開中。

USB Type-C対応の様々な機器が使えて仕事がはかどる!

iPhone 15

『iPhone 15』と『iPhone 15 Plus』はUSB 2

『iPhone 15』と『iPhone 15 Plus』はUSB 2両者が採用するUSB 2はデータ転送速度が最大480Mbps(理論値)。従来の『iPhone』が採用してきたLightningと同スペックだ。

『iPhone 15 Pro』と『iPhone 15 Pro Max』はUSB 3

『iPhone 15 Pro』と『iPhone 15 Pro Max』はUSB 3USB 3仕様のType-Cはデータ転送速度が最大10Gbps(理論値)。『iPhone 15』と『iPhone 15 Plus』に比べて約20倍に相当する。

『iPhone 15』シリーズでは一般的なType-C機器に対応!様々な使い方ができるようになりました

「『iPhone 15 Pro』シリーズでは[4K60fps/ProRes]というビデオ形式の動画を撮影する際、USB Type-C対応ケーブルで接続した外付けSSDにデータを直接記録できます。実際に試したら、動画撮影者にとって〝神〟といえる機能でした。『iPhone 15 Pro』のストレージを消費することなく、データ転送の手間も省けます。ただし『iPhone 15 Pro』シリーズからの給電に課題があるようで、直接記録の機能に対応できるSSDは限られています。安心して同機能を利用するなら、対応製品の登場を待つのが正解です」(戸田さん)

 外付けモニターを『iPhone 15』シリーズにつなぐ際にも〝iPhoneからの給電〟について留意しなければならないと戸田さんは言う。

「外付けモニターにUSB Type-C対応ケーブル1本で接続できるのは大変便利なのですが、こちらも消費電力の問題により、すべての外付けモニターを利用できるわけではありません。特にモバイル仕様の外付けモニターは相性の良しあしが鮮明に分かれるようです。今後はプロジェクターやXRゴーグルにつなぎ、ワイヤレスよりも安定した高画質映像を『iPhone』で楽しめるようになるはず。『iPhone』対応の安価なSSDが登場してバックアップを取りやすくなり、容量不足の悩みが減ることも期待できそうです」(戸田さん)

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