「iOS 17」では画像関連の機能が強化され、撮った写真を様々な形で活用しやすくなっている。背景にあるのはGoogleやAdobeなども注力する、画像認識技術の飛躍的な向上だ。写真を瞬時に切り抜いてステッカーを作れる機能などを、仕事に役立てるポイントについて紹介しよう。
写真アプリからの切り抜き&調べものが驚くほど簡単!
「iOS 16」以降をインストールしている『iPhone』では、本格的なフォトレタッチアプリを使わなくても写真の被写体を切り抜けるようになっている。画像を認識する精度が高く、写真の該当箇所をタップするだけの手軽さだ。
「被写体を切り抜いて保存しておき、同じApple IDでログインしている『Mac』や『iPad』のスライド作成アプリに貼り付けるといった手段で、被写体を資料などに活用できるようになっています」
そう話すのはApple製品に詳しいジャーナリスト・松村太郎さん。「iOS 17」ではこの切り抜き機能がさらに進化。LINEスタンプのような「ステッカー」を作成できるようになった。メッセージにそのまま投稿できるのはもちろん、エフェクトを追加することにより、イラスト化もできる。
また「iOS 17」では「画像を調べる」機能もアップデート。ランドマークや動植物に加え、料理写真から似たような料理のレシピを簡単に検索できるようになった。
「日本では『cookpad』と連動し、写っている料理のレシピのWebサイトを表示できます。例えば、ゴーヤチャンプルーの写真をタップすれば同サービスのゴーヤチャンプルーのレシピページへジャンプする仕組みです。『これ何だっけ?』『あれ作りたい』という場合、従来の検索のひと手間を解消してくれます」(松村さん)
店頭の写真から〝マップ〟の情報を調べたり、衣類に付いている洗濯表示の意味を調べたりすることも可能。調べものが、より素早く簡単にできるようになったこれらを活用して、仕事の時短につなげよう!
ジャーナリスト
松村太郎さん
慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。テクノロジーとライフスタイルの関係をテーマに取材・執筆するジャーナリスト。iU 情報経営イノベーション専門職大学専任教員やキャスタリア取締役研究責任者を兼務する。
これからはフリー素材に頼らなくていい
自分で撮った写真が資料づくりに役立つオリジナルイラストに
Review!
写真をタップすると被写体を自動的に認識。「ステッカーを追加」という表示を選ぶと、被写体が自動的に切り抜かれて「メッセージ」アプリで使用可能なステッカーとして登録できる。登録後に「エフェクトを追加」のメニューで「アウトライン」「コミック」「ぷくぷく」「キラキラ」といった効果を加えれば、切り抜きイラストの完成だ。
こんな使い方をすればタイパが向上!
撮影した写真からフリー素材集を作成!
ステッカーにした写真をためて、自分だけの素材集としてまとめておこう。そうすれば、資料作成の際にフリー素材を探す手間も減らせる。なお「メッセージ」のアプリ以外で活用する場合はスクリーンショットなどで『iPhone』内に保存すればいい。