「感じがいい人」と思われるためのちょっとしたコツ。それは決して難しいことではなく、考え方や捉え方を変えるだけで誰でも実践できる。職場で、普段の生活で、意識するだけで好転するコミュニケーションのノウハウを産業カウンセラーの大野萌子さんに解説してもらいました。
メール・Web 会議編
Q|大事なメールなのに、スルーされてしまいます。何か対策は?
A|ひと目でわかる件名、短文メールを心がけて
たくさんのメールの中から受信相手に確実に読んでもらうには、件名の工夫が欠かせない。「会議の件」ではなく「〇日の会議の件」、「【○日□時まで】」など、具体的で注意を引く情報を入れること。
さらにメール文は内容がぼやける長文は避け、大事な用件は冒頭で記載。最初の数行で目的がわかれば、相手の時間も無駄にしない。短文で簡潔、わかりやすいメールが送れる人は好印象だ。
■ 感じいいPOINT「メールではどうとでもとれる曖昧な表現も排除。具体的に提示することで、トラブル回避に」
Q|メールの対応に何時間もかかります。どうすれば解消できる?
A|拝受メールだけ送って、対応はできる時にしましょう
連絡事項や仕事の依頼など、重要なことに使われることも多いメール。要望や問い合わせなど多様な対応を迫られ、他の仕事に支障が出るのは避けたいもの。それには「メール拝受しました。期日までにご返信します」と拝受メールだけを先に送ってしまうのが一番。相手も期日までに対応してもらえるとわかり、安心できる。また、返信内容に迷うようなら、電話をしてしまうのも手。文字ではうまく伝わらないことも、話せば案外簡単にすむこともある。
■ 感じいいPOINT「メールだけに頼るのはリスクが高い。確実、迅速に進めたい時は、電話での対話も有効です」
Q|Web会議で相手にうまく気持ちを伝えるコツは?
A|大げさなくらいの身ぶり手ぶりを心がけましょう
コロナ禍で、対面の会議や打ち合わせが減った分、オンライン上で開催されるWeb会議やリモート打ち合わせが急増。一方でオンラインワークでのマナーやルールが追いついていないため、どう対応するのがいいのか悩ましく思っている人も多いだろう。
大野さんによると、オンラインでは、対面だと大げさに感じるくらいの身ぶり手ぶりを心がけるのがいいという。
「人は、怒りの表情より無表情に恐怖を感じるもの。特にカメラを通すと無表情に見えがちなので、表情だけでなく、オーバーアクションで感情を表現することです」
最近はカメラオフでもOKという会議も増えたが、相手との距離を縮めるためには、顔を映すのが望ましい。画面上では胸より上しか見えないため、うなずく際は頭だけでなく、肩から動かし、手の動きも加える。そうすることで感情がより伝わりやすくなるそうだ。
■ 感じいいPOINT「Web会議では、表情と発言のわかりやすさを考えて、マスクは外すのが良いと思います。そのためにも配信場所は会議室など、マスクオフでもOKな空間を選んで」
取材・文/内野智子 イラスト/江口修平
感じがいい人のコミュニケーション事例を紹介する本「『感じがいい人』の行動図鑑」
『仕事も、人間関係も、驚くほどうまくいく!「感じがいい人」の行動図鑑』
著/大野萌子 定価1430円(税込)
いつもの行動や話し方、言葉遣いにちょっと工夫をするだけで、相手に好印象を与えるように生まれ変わる。ビジネスパーソンのために実践的ですぐに役立つコミュニケーション術を解説した行動指南書。これを読めば、きっと仕事も人間関係も、驚くほどうまくいくようになるはず!