「ワークショップ」という言葉を見聞きした時、「何かを学ぶことはイメージできても、具体的に何をする場であるか説明できない」という方は少なくないだろう。
そこで本記事ではワークショップの意味や特徴をわかりやすく紹介する。参加するメリットや開催する際の注意点も併せてチェックしてほしい。
ワークショップとは
ワークショップとは、作業や業務に実際に触れ、自ら体験することを重視した参加型講座のこと。参加者が主体となって積極的に学びに参加できるため、講師から一方的に話を聞くだけでは得られない体験ができるのが特徴だ。ワークショップはものづくりやアートといった体験が重視される分野に加え、学校教育やビジネス分野でも幅広く取り入れられている。
なお、似たような言葉として「セミナー」があるが、こちらは講師となる人物が受講者に指導を行う、説明を行うことが主軸となる学びの場を指す。
ワークショップを行う際のポイント
次に、ワークショップを行う際のポイントを紹介する。ワークショップを開催する場合には、以下のポイントに注意して企画を行うのが良いだろう。
目的を明確に設定する
ワークショップの目的が明確になっていないと、プログラムの一貫性が欠けてしまいやすく、主催者・参加者ともに望んだ結果が得られない可能性がある。そのため、ワークショップを行う際には目的をまず設定しよう。その際、参加者が何を求めて参加するのか、参加者にどんな体験をしてほしいかを念頭に置いて検討すると良いだろう。 話し合いやグループワークのテーマを決める際にも、ワークショップ全体の目的を加味して詳細を決定するとスムーズに進む。
個人ワークの時間を設ける
個人ワークの時間を設けるのも、充実したワークショップを行うためのポイントの一つ。ワークショップでは参加者同士で話し合うグループワークが重視されるが、個人ワークをせずにいきなりグループワークに入ってしまうと、参加者同士で効果的な話し合いができない可能性が高い。 そのため、各々がテーマに対する意見をまとめ、グループワークに向けた準備を行う時間を設けるようにしよう。また、テーマに対する意見やアイデアを複数用意してもらうと、より積極的な議論が期待できる。
意見しやすい空間を用意する
ワークショップでは、参加者同士が意見しやすい空間を用意することも重要だ。ワークショップにおける充実度は参加者同士の会話に左右されるため、活発な議論を行える空気感や関係性の構築は欠かせない。
1グループの人数は5~6名程度までとし、全員が顔を合わせて会話できるように座席の配置を工夫したい。BGM等も用意すると、参加者が過度に緊張せずワークショップに参加できるはずだ。
ワークショップに参加するメリット
次に、ワークショップに参加するメリットを見ていこう。気になるワークショップがあるものの、参加を迷っている方は、ぜひ以下のポイントを判断材料の一つとしてほしい。
積極的な学びができる
ワークショップのメリットとしてまず挙げられるのは、積極的な学びができるという点だ。 ワークショップではセミナーや講義と異なり、参加者自らの発信が求められる。自発的に考えてアイデアを出すことで、インプットとアウトプットを駆使した深いレベルの学びが得られるはずだ。積極的に考えることで学んだ内容が頭に残りやすくなり、充実した時間を過ごせるだろう。
体験から学ぶことができる
実際に体験して学ぶことができる点も、ワークショップのメリットだ。実際に話す、ものに触れて実践するといった体験をすることで、話を聞くだけでは得られない学びができるはずだ。ビジネス分野だけでなく、アート分野をはじめとした体験が重要な分野でも満足度の高い学びができるだろう。
達成感を感じやすい
達成感を感じやすいという点も、ワークショップのメリットとして見逃せないポイント。ワークショップでは自発的に行動を行い、他の参加者と協力して学びを深めていく。自分で学びの場を作り上げて参加者同士で協力し、自発的に学んだ体験から得られる達成感は今後の学びのモチベーションアップにも繋がるだろう。
ワークショップの注意点
ワークショップでは注意すべき点も存在する。まず挙げられるのは、ワークショップ自体の質が参加者の姿勢や主催者の進行に左右されやすいこと。参加者が消極的だったり、ファシリテーターの関与が少なかったりする場合には、充実度の低いワークショップとなってしまう恐れがある。
また、ワークショップではグループワークに時間を多く使う分、講義形式より学べる内容が限られてしまう点にも注意が必要だ。事前にワークショップのプログラムや目的を確認し、納得のうえで参加を決定しよう。
文/編集部