【AJの読み】欲しいもの、ビミョーなものが可視化される客にとって都合のいいツール
マジボイスはポジティブだけでなくネガティブな意見もオープンに公開する場になるため、ネガティブコメントや悪質なレビューも憂慮されるが、PPIHでは公序良俗に反するもの以外は、包み隠さず公開していくという。
評価されるものとされないものが可視化される仕組みだが、ビミョー評価が多いものに関しては、客の意見という定性的なものと、実際の売り上げなど定量的な実績の双方で判断して、その商品の販売をやめるかどうかを検討するとのこと。
発表会では「錦鯉」の長谷川雅紀さんと渡辺隆さんが登場。マジボイス実現委員会の担当者が同席し「ドンキに対する不満」について忌憚のない意見を求めた。長谷川さんの不満は「迷う」。
「ドンキに行った人はみんな経験あるでしょ。いろんな所にいろんな商品があって、どこに何があるのか、イマイチ分からなかったりするじゃないですか。ずっとそこにあるならいいけど場所が変わるし、絶対、店員さんに売場を聞きますもんね。
そこで提案なんですけど、可愛らしい孫のような人がおじいちゃんのように僕の手を引っ張ってくれて、それでその場所まで連れてってくれればいいと思うんですよ。すごくいい案な気がしますけど、どうですか?」
マジボイス実現委員会の担当者は、手を引いてもらう提案は即座に却下したが、店内の床面に商品の場所を矢印などで分かりやすくつけるのはどうかと提案。改善結果はマジボイスで客にも伝えていくとのこと。
ドンキのヘビーユーザーである渡辺さんの不満は「焼き芋の焼き上がる時間がわからない」。「ドンキの焼き芋、めちゃくちゃうまいの知ってます? 買いやすい位置にあるのでよく買うんですよ。でも不満なのはタイミングが合わないこと。買いに行っても『今焼いています』みたいに言われて。焼き上がる時間がわかれば、みなさんスムーズに買えると思いますよ」
マジボイス実現委員会の回答は、一部店舗ではタイマーを設置しているが、対応できていない店舗が多数あるため、これから寒くなり需要が高まる時期に向け店舗と連携して、タイマー設置への対応をしていくとのこと。
また、店で買い物をしている時に焼き上がりの案内が欲しいという渡辺さんに対し、焼き上がりまでの時間を店内放送で知らせることも検討すると約束。さっそくマジボイスの意見が反映された。
長谷川さんも指摘していたように、ドンキの圧縮陳列は、目が悪くなる中高年にとっては、確かに目的の商品を探すのに苦労する。それが理由で最近はあまり店に足を運んでいないが、マジボイスで同様の意見が多ければ、名物の圧縮陳列も変わる可能性があるかも?
文/阿部純子