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【仕事の裏側】「食を通じて社会課題の解決に挑み続ける」CRAZY KITCHEN・土屋杏理さん

2023.11.05

気になる”あの仕事”に就く人に、仕事の裏側について聞く連載企画。第14回は、オイシックス・ラ・大地株式会社の子会社で、オーダーメイドケータリング事業を手がける株式会社CRAZY KITCHEN(クレイジーキッチン)代表取締役社長の土屋杏理氏。クレイジーキッチン創業の背景にある土屋さんの想い、これまでの活動と、新たな挑戦について聞いた。

世界観からプロデュースする唯一無二のケータリングサービス

「食時を、デザインする」をコンセプトに掲げるクレイジーキッチンのメイン事業は二つ。一つ目がパーティーやイベントにおける、空間演出を含めたオーダーメイドのケータリング事業だ。食べ物だけでなく、食事を楽しむ空間、時間、コミュニケーションが大事であるとし、空間装飾を含む総合演出を手がける。これまでNetflix社やJO MALONE LODON、ランボルギーニといった数々の企業・ブランドの商品発表会やPRイベントに携わり、世界観に合わせた唯一無二のケータリングを提供してきた。

二つ目が2019年より提供を開始している、環境に配慮した食材を活用したケータリング事業「サステナブルコレクション」。未利用魚や害獣などの、一般市場には出回らず廃棄されてしまうことの多い食材を利用したケータリングサービスを行っている。

「ケータリングの面白さは、場を用意するホストと食事を楽しむゲストが異なること。ゲストが日常では目にしないような食材を用意することで、未利用魚や害獣といった食材に出会い、新たな発見をしてもらえたら。そんな思いも込めてケータリングサービスを行っています。」

そのほか、レストランや結婚式場のメニュー開発、フードディスプレイ、企業主催イベントにおけるワークショップ開催等、食に関わるさまざまな事業を幅広く手がけている。

「生き物のために何かしたい」——幼少期からの思いを糧に、クレイジーキッチンを創業

クレイジーキッチン創業の原点となったのは、土屋さんの幼少期の経験。動物愛護家である母の影響で、小さい頃から犬・猫・魚などに囲まれて育った土屋氏にとって、生き物が一番の友達だった。大好きな生き物のために貢献できる仕事につきたいと、かつては獣医になることを志していたことも。ところが家庭の事情で夢を諦めざるを得ず、大学卒業後は広告代理店に就職。その後、自身の結婚式を機に、オーダーメイドウェディングを手がける株式会社CRAZYに創業メンバーとしてジョインした。この頃から徐々に仕事に対する価値観が変化していき、いつしか幼い頃からの「生き物を助けるために何かをしたい」という気持ちが再燃してきたという。

2015年11月、「Attention to a life:命の循環」をビジョンに掲げ、クレイジーキッチンを創業。フードロス問題に代表される食にまつわる社会課題の解決にも取り組んでいる。

「パーティーなどのビュッフェ料理では、フードが不足しないようにと必要以上にたくさん盛り付けられ、結果として大量のロスが出ることもしばしば。私たちは過剰な供給は控えつつ、パーティー内でなるべく食べ切っていただけるよう参加者とコミュニケーションを取りながらサービスを提供しています。またむやみに高級食材を使うのではなく、その会のコンセプトに合わせたオリジナルの世界観、そこでしか味わえない時間を楽しんでいただくといったことに価値を置いています。」(土屋氏)

他にはない独創的なオーダーメイドのケータリングは日本国内のみならず、海外企業やブランドからも支持を得ている。

ヴァージン・オーストラリア航空の「ケアンズー羽田線」新規就航記者説明会・懇親会では、オーストラリアの食材を使ったフィンガーフードを提供。

香水をはじめとするフレグランス製品を展開する「JO MALONE LONDON」が表参道ヒルズで開催したポップアップイベント「Snow Day」では、イベントに合わせ「雪」をイメージしたスノーボールやチョコレートムースを提供。JO MAONE LONDON製品の香りを取り入れた、オレンジやカルダモンのオリジナルドリンクは参加者からも好評の声が多く上がった。

より多くの人に新たな「食の体験」を届けるために。「あったらいいな」を形にするラボの立ち上げ

2023年9月には、新たな試みとなる「CRAZY Kitchen Lab(クレイジーキッチンラボ)」を開設。きっかけは2021年10月、伊藤忠商事株式会社が運営するITOCHU SDGs STUDIOでのコラボレーション企画だった。世界食料デーからスタートする体験型展示「いただきますの前、ごちそうさまの先。展 〜What makes a nice meal ?〜 」にて、代替肉や昆虫食を使った今と未来の食材を比較した「ミライ弁当」と、通常なら捨てられてしまうシロチョウザメや規格外野菜を使い、再利用できる容器を使った「すてない弁当」の2種類の弁当を販売。連日、販売開始5分で売り切れてしまうほどの大反響を経て、多くの人にサステナブルな食を体験してもらう機会となった。

この経験を通し、大きな企業とコラボすることによって、より多くの人へ食の体験を届けられることを実感。もっといろんな企業や個人と出会い、コラボすることで、ともに新たな価値を広く社会に提供できるのではという思いから、「CRAZY KITCHEN Lab」の構想が誕生した。ラボでは「こんなことをしたい」というクレイジーキッチンの取り組み表明や、「こんな商品があったらいいな」と思う商品の開発を行っていく予定だ。

「食事とは食べ物自体だけでなく、盛り付けや雰囲気、サービスなどを含めた総合的な時間を楽しむもの。ところが食事制限のある状況や人にとっては、食事を楽しむことは簡単ではありません。そんな制限の中でも食事を楽しんでいただけるようなお手伝いができたら、そんな思いから、例えば病院食や機内食の開発に関わりたいという思いが以前からあります。私たちだけでは実現が難しいことでも、誰かの手を借りれば現実になるかもしれない。そんな願いも込めて、今回クレイジーキッチンラボを立ち上げました。」(土屋氏)

廃棄される原料から生まれた新商品。ヒントはエスニック料理から

ラボの取り組み第一弾として、廃棄原料を使った2種類のアップサイクルシロップ「LEVEL UPcycle syrup」2種を発表。梅干しを作る際に大量にできる「梅酢」を活用した「”キュンと”うめ酢&ミントシロップ」と、飲料やゼリーの原料となる果汁を搾汁した際に出る「シトラスピール」を活用した「”とろりン”シトラスピール&スパイスシロップ」をオンラインで数量限定で発売する。

シロップはソーダや白ワイン、ビールと割ってドリンクとして楽しんだり、料理の下味やドレッシングなどに活用することができる。

開発の背景には、食事の時間を総合的に演出するクレイジーキッチンならではのこだわりがあった。

「食事の際に、最初に口にするのはドリンク。ケータリングにおいても食材だけでなく、ドリンクにもっとこだわりたいという気持ちがかねてからありました。そこでサステナブルなドリンクを開発することで、ファーストインプレッションから新しい価値を届けられる、驚きとともに場の印象を左右させる役割を持たせられるのではと考えました。お酒を飲めない人にも食事と合わせたドリンクを楽しんでいただきたい。その時間を少しでも特別に感じられるような、贅沢なシロップをテーマに開発を行いました。」(土屋氏)

うめ酢シロップにはレモンピールとミント、シトラスシロップにはカルダモン、コリアンダー、シナモンなどのスパイスが合わせられ、いずれも食材の味わいを生かしながら、香りが楽しめるのが特徴。通常はマイナス要素になってしまう塩味や苦味をあえて生かした大人の味わいに仕上がっている。開発にあたって着想のヒントを得たのはエスニック料理だった。

「ベトナムレストランではお肉料理にミントやハーブをふんだんに使っていて、強烈な香りと塩味の掛け合わせに衝撃を受けました。インドレストランでは、アチャール(インド風漬物)にざらっとしたスパイスが使われていて、シトラスピールとの相性が抜群。これらの料理から着想を得て、今回の2種類のシロップの開発にあたりました。」(開発担当 菊地氏)

研究と試作を繰り返し、商品が完成。まずはオンラインショップにて数量限定で販売し、お客様からの声を元に、今後さらなる改良に取り組む。

「今後は新たな商品として、カボチャの種とワタを使ったドリンクを考案中。現在は原料の青くささへの対策、カボチャらしい味わいをいかに出すかといった課題に取り組んでいます。クレイジーキッチンラボは2024年3月を目標に公式サイトにてオープンし、さらなる商品の開発や企業・個人からのコラボを受け付ける予定です。こんなことができたらいいなと思う方、一緒に何かできそうという方は、ぜひお誘いをお待ちしております。」(土屋氏)

【取材協力】
株式会社CRAZY KITCHEN
代表取締役社長 土屋杏理氏
https://crazykitchen.jp/

取材・文/ Kikka

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