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学生たちが小さな花を咲かせるために何ができる?雑草研究者が考えるZ世代との向き合い方

2023.11.08

大学という場所は、今も昔もサブスクだ

 さらにタカサゴユリには、もうひとつ問題があった。

 雑草は条件によっては小さく咲くが、少しでも条件が違うと大きく育ってしまう。

 さまざまな環境に生えなければならない雑草は環境によって変化する能力が大きい。この変化する能力は「可塑性」と呼ばれている。

 もともと植物は、動物に比べて体のサイズの変化が大きいが、雑草は、植物の中でもこの「可塑性」が大きいとされている。可塑性が大きいことも「雑草性」のひとつだ。

 タカサゴユリは1メートル前後に育つのがふつうだが、小さいものは10〜20センチの草丈である。一方、大きいものでは5メートルくらいにまでなり、見上げるほどの高さに成長してしまうこともある。

 こんなに巨大に育ったら、とても「ちいかわ」とは言えないだろう。

 そこで、井西さんは品種づくりに挑戦する一方で、安定的にタカサゴユリを小さく栽培する方法を開発していた。ただし、ある程度、小さくする方法は解明されたが、コストや作業性を考えると、実用化にはまだまだ時間が掛かりそうだ。

 井西さんは、いったいどうするのだろう?

 私はしばらくようすを見ていた。

 何しろ、これは私の研究ではない。井西さんの研究なのだ。

 もちろん聞かれれば答えるし、相談されれば相談に乗るが、私は、学生に対して手取り足取り教えるようなことはしない。

 どちらかというと面倒見の悪い先生だ。

 学生にとって、研究は仕事ではない。仕事ではないのだから、やらされるものではなく、好きなことを好きなだけやるものだと思っている。

 最近は定額サービスのサブスクが流行っているが、大学という場所は、今も昔もサブスクだ。

 何しろ、授業料は決まっている。その定額料さえ払えば、追加料金なしで「授業受け放題」、「勉強し放題」「研究し放題」「指導受け放題」なのである。

 コスパ良く、楽勝科目で最低限の単位を取って、卒業することもできるが、それではあまりにもったいない。定額料金を払っているのだから、利用した方がお得なのだ。

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